一具(読み)いちぐ

精選版 日本国語大辞典 「一具」の意味・読み・例文・類語

いち‐ぐ【一具】

[1] 〘名〙
器具衣服(袴など)、甲冑などの一そろい。一組。一式
※観智院本三宝絵(984)中「行基閼伽一具をそなへて」
徒然草(1331頃)八二「物を必ず一具にととのへんとするは」 〔漢書‐王莽伝上〕
雅楽で、「五常楽(ごしょうらく)」のように、序、破、急などその曲の構成部分を完備していること。
※続教訓鈔(14C前か)「凡当曲一具ある事は、先例希なること也」
[2] 〘形動〙 同じ、または、いっしょであるさま。
※真俗交談記(1191)「資実暫不其旨。有斟酌気。親経一具可申之由。被誘詞
愚管抄(1220)五「その子は文覚が一具の上覚と云ふひじりにや」

ひと‐ぐ【一具】

〘名〙 (「具」は衣服、器具などを数えるのに用いる語) 一そろい。一組。一式。
紫式部日記(1010頃か)寛弘五年秋「袴一ぐぞ見えし」

ひと‐よろい ‥よろひ【一具】

〘名〙 そろったもの一組。
蜻蛉(974頃)上「硯筥ひとよろひにいれて」

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デジタル大辞泉 「一具」の意味・読み・例文・類語

いち‐ぐ【一具】

器具・衣服・甲冑かっちゅうなどの一組。ひとそろい。一式。「装束一具
同類一味仲間
「その子は文覚が―の上覚といふ聖にや」〈愚管抄・五〉

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「一具」の意味・わかりやすい解説

一具
いちぐ

「ひとそろい」「ひと組」の意味。装束,甲冑,道具類について用いるほか,雅楽の舞楽では,多楽章形式の曲において,所定の楽章が全部そろって完備している形をいう。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「一具」の解説

一具 いちぐ

高梨一具(たかなし-いちぐ)

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