いっ‐ぺん【一偏】
〘名〙 (形動)
①
一方にかたよること。また、一方にだけかたよっていること。
※
無名抄(1211頃)「古集の中に様々の姿、詞、一偏ならず」 〔
宋史‐劉述伝〕
②
気持が、ある物事一つに向かうこと。いちずなさま。
※発心集(1216頃か)七「
一片(ヘン)に
往生極楽を願より外に、他のいとなみなし」
③ (
名詞の下に付けて接尾語的に用いる) もっぱらそのことに力を入れる。また、そういうさまであることを表わす。
※古文真宝前集抄(1642)一「若き時は、
武士は武勇一片、
町人は職一片なれども」
※
江戸繁昌記(1832‐36)三「爰に一裏店を写して、略
(ほぼ)其の一偏を示す」 〔
荀子‐天論〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「一偏」の意味・読み・例文・類語
いっ‐ぺん【一偏】
[名・形動ナリ]
1 一方にかたよること。また、そのさま。
「―の我執によりて朝恩をもかへり見ず」〈折たく柴の記・下〉
2 気持ちがある物事一つに向かうこと。いちずなさま。
「―に思ひ切って鎌倉中にたてこもる」〈太平記・一九〉
3 (接尾語的に用いて)ひたすらそのことに心を向けるさまを表す。「正直一偏」
「読書―の学者になって居たい」〈福沢・福翁自伝〉
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普及版 字通
「一偏」の読み・字形・画数・意味
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