一件(読み)イッケン

デジタル大辞泉 「一件」の意味・読み・例文・類語

いっ‐けん【一件】

一つ事柄。ある一つの事件。「一件落着」
物事を遠回しにいう語。あのこと。例のこと。「きのうの一件には触れないでおく」
[類語]一条問題案件けん本件別件事案懸案課題題目本題論題論点争点テーマプロブレム

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「一件」の意味・読み・例文・類語

いっ‐けん【一件】

〘名〙
① 一つの事柄。ある事件。
蔗軒日録‐文明一六年(1484)一〇月二八日「光明寺殿企一件㕝、必有一願文
人情本春色梅児誉美(1832‐33)四「彼(かの)お頼みの一件(イッケン)は、くわしく詮穿いたしましたが」 〔京本通俗小説‐馮玉梅団円〕
② ものごとを遠回しに言うときに用いる語。例のこと。あのもの。あの人。
歌舞伎曾我綉侠御所染御所五郎蔵)(1864)四幕「いっけんの女がぷんと来たのだな」
③ 歌舞伎脚本でその舞台に登場している役者全員をいう。
※歌舞伎・貞操花鳥羽恋塚(1809)五立「ト唄になり、菖蒲(あやめ)、思ひ入れ。一件残らず奥へ入る」

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