ワールブルク(Emile Gabriel Warburg)(読み)わーるぶるく(英語表記)Emile Gabriel Warburg

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ワールブルク(Emile Gabriel Warburg)
わーるぶるく
Emile Gabriel Warburg
(1846―1931)

ドイツの物理学者ハイデルベルク大学キルヒホッフに学び、実験物理学にひかれる。1872年、ストラスブールのカイザー・ウィルヘルム大学(現、ストラスブール大学)で、クントとともに気体の統計理論を研究、気体の熱伝導と比熱に関する法則を発見した。1876年から20年間、フライブルク大学で、気体の研究を続けるとともに、強磁性体の磁化における履歴現象(ヒステリシス)の実験的発見と理論的説明、物質の電気伝導、ガス放電などの研究を行っている。研究者であると同時に実験物理学の優れた指導者でもあって、1895年ベルリン大学教授となってから、多数の学徒が彼のもとから巣立ち、近代物理学の発展を担った。主著『実験物理学教科書』(1893)は、彼の生存中だけでも22版を重ねた。息子オットーは生理学者として知られる。

[今野 宏]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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