日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ワイス(Piere-Ernest Weiss)
わいす
Pierre-Ernest Weiss
(1865―1940)
フランスの物理学者。チューリヒ工科大学、高等師範学校(エコール・ノルマル・シュペリュール)に学び、磁気の研究を行う。1918年ストラスブール大学の物理学教授となる。ランジュバンの常磁性に関する熱統計の理論を拡張して、強磁性体の原子磁気モーメントは分子磁場とよばれる磁場のために平行に整列しているという強磁性の理論をたてた。その後に量子力学が成立してから、分子磁場はスピン間の交換力にほかならないことが明らかにされたが、この理論は第一次近似として磁性研究に応用され、たとえばL・ネールによる反強磁性やフェリ磁性の研究において発展的に活用されている。分子磁場は、しばしばワイス磁場ともよばれている。
[今野 宏]
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