ローランド(筑波)号

日本の自動車技術240選 「ローランド(筑波)号」の解説

ローランド(筑波)号

若い頃にオートバイ・レースに夢中になっていた川真田和汪は、1929年頃から自動車の試作を始めていたが、アメリカの前輪駆動車コードにあこがれ、FF車の操縦性の良さに注目して、本車の設計をしている。 鳩山一郎渋沢栄一の資金援助により、1931年にローランド号を作り、1934年に東京自動車製造KKを設立する。筑波号の前身は、「みずほ」号であるが、当初から量産を考えており、エンジン、シャシー、ボディなどはすべて外注によって製作され、会社は組立と販売に徹している。 したがって筑波号は、当時としてはめずらしくも130台と大量に作られ、中国にも輸出している。日中戦争が盛んになると自動車製造事業法が成立し、中小の自動車会社は生産許可とならず、材料の入手もままならず、閉鎖することになる。 川真田和汪は、小工場と組んでレーサーを製作し、ハネダ号と名付けて多摩川オートレースにて活躍するが、整備や耐久性に難があり、ダットサンに負けている。保管場所トヨタ博物館 (〒480-1131 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番100号)
製作(製造)年1932
製作者(社)東京自動車工業,川真田 和汪
資料の種類量産車
現状展示(動態)・公開
車名筑波号
モデル名ローランド
会社名東京自動車製造
製作開始年1932
製作終了年1938
設計者川真田和汪
協力者鳩山一郎、渋沢栄一
車種・用途小型乗用車
実車所在/模型トヨタ博物館
スタイルフェートン(セダン
ドア数2ドア
乗員4名
車両重量約500kg
エピソード・話題性約130台作られ、中国に輸出、ローランドの改良型
構造鋼板プレス式
バンパーなし
ステップあり、フェンダーと一体
全長約3200mm
全幅約1200mm
全高約1500mm
特徴コードを手本にしたFFトランスミッション前置縦置エンジン
フレームメンバー
前軸独立式、横置1/2リーフ
後軸独立式トレーリングアーム縦置1/4リーフ
軸距約2400mm
前トレッドx後トレッド共に約1050mm
車高調整なし
ステアリングアッカーマン式
ダンパーなし
スタビライザーなし
走行安定装置なし
特徴4輪独立サスペンション、ボディは腹白ボディ、フレームプレス工業、トラックもあり、筑波はリジッド横リーフ。
冷却/気筒配列水冷/侠角V4
弁機構SV
気化器上向
内径x行程56×76mm
排気量736cc
点火系接点式デスビ付
最高出力/回転数18HP/4000rpm
排気浄化消音マフラーのみ
過給機なし
可変システム自動進角点火
特徴侠角25°V4エンジンは目黒製作所製、ラジエターは日本ラジエター、気化器はゼニス製
ハイブリッドシステム形式なし
変速機MT3
駆動方式FF
モード燃費-
参考文献トヨタ博物館資料、カーグラフィック、二玄社、1986年
その他事項シャシー重量:約400kg;前照灯:2;ワイパー:バキュウム;ウォッシャ:なし;足ブレーキ:ロッド・ブレーキ、ドラム;手ブレーキ:リヤー・ロッド式;比出力:24.4HP/L;最終減速:ウオーム;最高速度:60km/h;

出典 社団法人自動車技術会日本の自動車技術240選について 情報

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