日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロード・アイランド」の意味・わかりやすい解説
ロード・アイランド
ろーどあいらんど
Rhode Island
アメリカ合衆国、大西洋岸の州。独立13州の一つ。面積3144平方キロメートル。人口104万8319(2000)。州都プロビデンス。南を大西洋、西をコネティカット州、北と東をマサチューセッツ州に囲まれ、ロード島などいくつかの島を有する。氷河作用による数多くの湖沼、川、滝がみられ、海岸線は潟(かた)や沿岸州が発達する。なだらかな起伏をみせる西の高地に対して、東側はナラガンセット湾が広がり、湾周辺に州都プロビデンスをはじめ、ワーウィック、クランストン、ポタケットなど主要都市が集中する。50州のうち面積が最小ではあるが、人口密度は高く、工業の発達が著しい。かつて全盛を極めた綿紡績工業の中心地も現在では多様化が著しく、とくにプロビデンスを中心とした貴金属、銀製品の生産は全米一を誇り、機械、化学繊維、ゴム、金属、電子機器、食品加工など多くの工業がみられる。州土の60%以上が森林のため農業には適さず、牧畜がほとんどを占め、養鶏も古くから知られる。また、州内には観光資源も多く、海岸域や島などの多くがサマー・リゾートとして古くから有名で、19世紀後半の邸宅が残るニューポートやブロック・アイランドなども人気が高い。1524年にベラザノが訪れたのが最初で、1636年に、ロジャー・ウィリアムズが、マサチューセッツ湾植民地から政治・宗教の自由を求めてここに移ってきた。1776年には13植民地のうち合衆国憲法を批准したのは最後ではあったが、イギリスからの独立を宣言したのはもっとも早く、その後もこの政治的・宗教的自由の精神は受け継がれてきている。
[作野和世]