日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ローイ(Otto Loewi)
ろーい
Otto Loewi
(1873―1961)
オーストリアの薬理学者。ドイツのフランクフルトに生まれ、ミュンヘン大学とストラスブール大学で医学を学ぶ。1898年マールブルク大学薬理学教授マイヤーHans Horst Meyer(1853―1939)の助手となり、薬理学を専攻。1905年オーストリアのウィーン大学薬理学教授となり、1909年グラーツ大学薬理学教授に就任して、自律神経系と化学物質との関係について研究を進めた。1933年カエルの心臓の実験の結果、神経の末端から特殊な化学物質アセチルコリンの放出を確認した。1936年「神経刺激の化学的伝達に関する発見」により、イギリスのデールとともにノーベル医学生理学賞を受けた。彼はユダヤ人で、ナチスに追われ、1940年アメリカに渡り、ニューヨーク大学教授となった。
[根本曽代子]
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