日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ロー(Nicholas Rowe)
ろー
Nicholas Rowe
(1674―1718)
イギリスの劇作家、桂冠(けいかん)詩人。法律家への道を歩んだが、のち劇作家となる。七編の悲劇中、初期の二編はまだ生硬な文体で書かれているが、シェークスピア風の無韻詩で書かれた『ジェーン・ショア』(1714)やエリザベス朝悲劇に基づいた『美しい悔悟者』(1703)には自由で詩的な表現が多くみられる。彼はまたシェークスピアの作品の幕・場の分割を整え、ト書を加え、登場人物表をつけて編纂(へんさん)、初めての分冊版全集として、1709年に六巻本(のちに詩を加えて九巻に編集)で刊行した。1715年に桂冠詩人に任命された。
[中野里皓史]