日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロマンス(文芸用語)」の意味・わかりやすい解説 ロマンス(文芸用語)ろまんすromance 文芸用語。中世ヨーロッパにおいて、公式用語であるラテン語ではなく、俗ラテン語であるロマンス語によって書かれた英雄伝や騎士物語のこと。アーサー王やシャルル大帝(カール大帝)にまつわる騎士の恋愛や武勇を題材とし、理想化、空想化、夢幻化していった。中世以後は、セルバンテスの『ドン・キホーテ』のように非現実的な要素をもち、筋(すじ)のおもしろさに力点を置いた、伝奇性の強い小説のことを意味するようになった。[船戸英夫][参照項目] | アーサー王伝説 | カール(大帝) 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例