日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ロペス(Francisco Solano López)
ろぺす
Francisco Solano López
(1826―1870)
パラグアイの政治家、大統領(在位1862~70)。前大統領カルロス・アントニオ・ロペスの息子で、ヨーロッパに遊学後、アルゼンチンの内戦を調停するなど外交的手腕を発揮した。父の死後、36歳で大統領に就任したが、国の国際的地位を高めようとするその積極的外交が裏目に出て、1864年にブラジル、翌年にはアルゼンチン、ウルグアイを加えた三国同盟軍との戦争を余儀なくされた。国の総力をあげ、少年をも動員したこの戦争(パラグアイ戦争ないし三国同盟戦争ともいう)の陣頭指揮をとったが、国内各地を転戦中にコラ丘陵で戦死し、パラグアイの敗北が確定した。戦争の引き起こした人的・物的損害は莫大(ばくだい)であったが、今日では愛国の英雄と評されている。
[松下 洋]