ロブスター(英語表記)lobster

翻訳|lobster

デジタル大辞泉 「ロブスター」の意味・読み・例文・類語

ロブスター(lobster)

アカザエビ科の甲殻類体長約65センチ。体形イセエビに似て、青色の地に白い斑があり、はさみは巨大で力が強い。ヨーロッパ大西洋岸および地中海分布食用オマール。うみざりがに。

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精選版 日本国語大辞典 「ロブスター」の意味・読み・例文・類語

ロブスター

〘名〙 (lobster)
節足動物アカザエビ科に属する食用エビ、ホマルス‐ガンマルスの英名。和名ウミザリガニ。体長六五センチメートルにもなり、青色の地に白い大理石模様がついている。はさみは巨大で力強い。ヨーロッパの大西洋岸と地中海に分布し、浅海岩場にすむ。オマール。〔モダン辞典(1930)〕
② 北アメリカ大西洋岸と南アフリカ沿岸に生息する①の近縁種総称

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ロブスター」の意味・わかりやすい解説

ロブスター
lobster

軟甲綱十脚目アカザエビ科のうち,Homarus属 2種の総称。和名でウミザリガニともいうが,流通業者や料理関係者はオマールエビと呼ぶ。ヨーロッパ沿岸に広く分布するヨーロピアンロブスター H. gammarus,北アメリカ東岸に産するアメリカンロブスター H. americanus はいずれも重要な食用種。特にアメリカ合衆国産種の産額が多い。体長 50cm以上,体重 15kgに達するものもあるが,多くは体長 25~30cm。一見ザリガニを思わせる体形で,頭胸甲,腹部,鋏脚,歩脚ともなめらかである。鋏脚は巨大で,左右で大きさ,形が異なる。右の鋏には臼歯のような歯が並び,左の鋏には小棘がある。鋏脚に続く 2対の歩脚の先端も小さな鋏になっている。いずれも浅海産であるが,水深数百mの深海から大型個体が得られることもある。南アフリカ共和国産のケープロブスター Homarinus capensis は体長 10cmほどで,かつて同属とされたが,今日では別属とされている。個体数も少なく,水産的な価値はない。なお,英名の spiny lobster(とげのあるロブスターの意)はイセエビ類の総称である。(→甲殻類十脚類節足動物軟甲類

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロブスター」の意味・わかりやすい解説

ロブスター
ろぶすたー
lobster

節足動物門甲殻綱十脚(じっきゃく)目アカザエビ科に属する大形のエビ。食用エビで、アメリカ北東岸に生息するアメリカンロブスターHomarus americanusとヨーロッパ各国沿岸に分布するヨーロピアンロブスターH. vulgarisが重要種である。南アフリカ産のケープロブスターH. capensisは分類学的に知られているのみ。前2種は高級品で、フランス料理ではオマールといい、とくにアメリカンロブスターの産額が多い。ロブスターは和名でウミザリガニとよばれたことがあるように、巨大なはさみをもつ。浅海にすむが、イセエビ類とはまったく別の科に属し、習性もイセエビ類と異なって、岩の下に単独で巣穴を掘ってすんでいる。

[武田正倫]

料理

姿がよく味もよいのでパーティー料理に最適。生(なま)のものはかならず生きているものを購入する。ゆでて縦に二等分し、溶かしバターとレモン汁で食べるのが一般的。ゆでた肉はオードブルサンドイッチ、サラダなどに用いる。殻ごと焼いたり、ゆでた身をクリームで和(あ)えて殻に詰め、オーブンで焼くのもよい。フランスでよく知られている「アメリカ風オマールの煮込み」は、オマールのみそを使ったソースで殻ごと炒(いた)めた身を煮たもの。

[河野友美]


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改訂新版 世界大百科事典 「ロブスター」の意味・わかりやすい解説

ロブスター
lobster

十脚目アカザエビ科ウミザリガニ属Homarusの甲殻類の総称。食用エビで,巨大なザリガニといった外形である。イセエビを英名でspiny lobsterと呼ぶが,ロブスターの仲間ではなく,まったく別の科に属する。北西大西洋産のアメリカンロブスターH.americanus,北東大西洋産のヨーロピアンロブスターH.vulgaris,南東大西洋産のケープロブスターH.capensisの3種からなる。とくにアメリカンロブスターは体長1mにもなる大型種で,年間漁獲量が3万tにも達する。大西洋にしか生息しない原因については明らかでないが,イセエビの分布しない太平洋側の北東部にアメリカンロブスターを移植する試みがあり,成果が期待されている。
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デジタル大辞泉プラス 「ロブスター」の解説

ロブスター

2015年の映画。製作はアイルランド、イギリス、フランス、ギリシャ、オランダ。原題《The Lobster》。監督:ヨルゴス・ランティモス、出演:コリン・ファレル、レイチェル・ワイズ、レア・セドゥ、ベン・ウィショー、ジョン・C・ライリーほか。第68回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞。

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栄養・生化学辞典 「ロブスター」の解説

ロブスター

 海産性のザリガニ類とイセエビ類の総称.大型のエビ.

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世界大百科事典(旧版)内のロブスターの言及

【イセエビ(伊勢海老)】より

…体長35cmに達する甲殻綱イセエビ科のエビで,クルマエビと並んで水産上の最重要種(イラスト)。一様に濃い赤褐色で,特別の斑紋はない。外骨格は硬く,頭胸甲にはとげが密生する。各腹節には背面に1本の横溝がある。胸脚はすべてじょうぶで,雌の第5脚だけが不完全なはさみになっており,これで腹部に抱いた卵の清掃をする。浅海の岩礁にすむが,季節による深浅移動がわずかにあるだけで,移動性は小さい。昼間は岩棚に潜んでいるが,夕方から各種の貝,ゴカイ,エビ・カニ類など底生性の小動物を求めて出歩く。…

【イセエビ(伊勢海老)】より

…宮城県北部から九州,韓国,台湾に分布し,日本海にはごく少ない。イセエビが分布しない岩手県沿岸にアメリカンロブスターHomarus americanus(イラスト)を人為的に移殖する試みがなされている。ロブスターlobsterはウミザリガニと呼ばれるように,大きなはさみをもち,頭胸甲にとげがないのでイセエビとは一見して区別がつき,イセエビ科とは別のウミザリガニ科に属す。…

※「ロブスター」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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