ロドリゲス(João Rodriguez Tçuzu)(読み)ろどりげす(英語表記)João Rodriguez Tçuzu

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ロドリゲス(João Rodriguez Tçuzu)
ろどりげす
João Rodriguez Tçuzu
(1561―1634)

イエズス会宣教師ポルトガルのセルナンセレ生まれ。1577年(天正5)来日し、1580年イエズス会に入会。翌1581年府内のコレジオに入学して哲学、神学を学び、ラテン語を講じた。通辞バテレンとして著名であり、1591年豊臣秀吉(とよとみひでよし)とバリニャーノの会見の際通訳を務めた。1593年(文禄2)上洛(じょうらく)して都(京都)で布教し、翌1594年マカオへ戻って1596年司祭となる。同年日本司教マルティンスPedro Martins(?―1598)に従って長崎に戻り、伏見(ふしみ)にて司教が秀吉に謁見した際、通訳を務めた。1600年(慶長5)徳川家康(とくがわいえやす)と会見して好遇を受け、宣教師の都、大坂、長崎在住の許可を得た。翌1601年日本準管区の会計係となり、1610年にマカオに追放されるまでその任にあたった。1613年に中国内地を旅行して儒教・仏教・道教の研究を行った。著書に最初の日本語の文法書である『日本大文典』(長崎刊)や『日本小文典』(マカオ刊)があり、日本の教会史および日本文化研究書たる『日本教会史』がある。

[宮崎賢太郎 2018年2月16日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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