ロッセリ(英語表記)Carlo Rosselli

改訂新版 世界大百科事典 「ロッセリ」の意味・わかりやすい解説

ロッセリ
Carlo Rosselli
生没年:1899-1937

イタリアの戦闘的自由主義者。反ファシスト。北イタリアのユダヤ系の家庭に成長。自由意志を重んじリソルジメント期の自治主義を継承した自由主義から出発し,サルベーミニの影響下にゴベッティの《自由主義革命》誌に協力した。ミラノおよびジェノバ大学で教鞭をとった。マッテオッティ暗殺後,統一社会党入党。弟のネッロ,サルベーミニ,ネンニなどと反ファシズム地下出版活動をする(1924-26)。1926年トゥラーティ亡命を助けて逮捕され,流刑中に《自由社会主義》(1930)を執筆し,ファシズムとも官僚的・権威的共産主義とも闘いうる社会主義を模索。29年脱出しパリで反ファシズムの革命運動〈正義と自由〉を創設。36年スペイン内戦が始まるや〈今日はスペインで,明日はイタリアで〉をモットーに共和国支持の義勇軍を組織して戦う。37年ファシズムの刺客により弟の歴史学者ネッロとともにパリで暗殺された。正義と自由運動はレジスタンス地下組織として引き継がれた。
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ロッセリ
Cosimo Rosselli
生没年:1439-1507

イタリアの画家フィレンツェに生まれ,B.ゴッツォリに師事した。15世紀後半のフィレンツェで最も繁盛した工房の一つを経営。その作品はいたずらに細部にこだわり,芸術的価値に乏しい。1481年シクストゥス4世がシスティナ礼拝堂の壁画制作のために招いた画家の一人で,そこで〈最後晩餐〉など三点を制作した。弟子フラ・バルトロメオ,ピエロ・ディ・コジモがいる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ロッセリ」の意味・わかりやすい解説

ロッセリ
Rosselli, Cosimo

[生]1439. フィレンツェ
[没]1507.1.7. フィレンツェ
イタリアの画家。 1453年 N.ビッチの工房に入り,のち B.ゴッツォリに師事し,フィレンツェで活躍。 81年ローマのシスティナ礼拝堂の壁画装飾に参加し『最後の晩餐』ほかを制作。折衷的画風であったが,フィレンツェ派の P.コシモ,A.サルト,F.バルトロメオなどの多くの画家を育てたことで知られる。作品『聖母と2聖人』 (1492,フィレンツェ・アカデミア美術館) など。

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