日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ロッセリーノ(Antonio Rossellino)
ろっせりーの
Antonio Rossellino
(1427―1479)
イタリア、ルネサンス期の彫刻家。セッティニャーノに生まれ、フィレンツェで没した。かなり年長の兄ベルナルドのもとで修業。年記のある最初の作品ジョバンニ・ケリーニの胸像(1456。ロンドン)やマッテオ・パルミエーリの胸像(1466。フィレンツェ)などの肖像には大胆で生き生きとした写実性がみられる。もっとも重要な作品は、フィレンツェのサン・ミニアート・アル・モンテ聖堂のポルトガル枢機卿(すうききょう)の墓碑(1461~66)であり、古典的な優雅さと軽快な運動感とをみごとに融合させている。このほかナポリのモンテオリベートのマリア・ダラゴーナの墓碑や数多くの聖母子浮彫りを制作した。
[篠塚二三男]