日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ロッシュ(フランスの天文物理学者、地球物理学者、数学者)
ろっしゅ
Édouard Albert Roche
(1820―1883)
フランスの天文物理学者、地球物理学者、数学者。モンペリエに生まれ、1844年にモンペリエ大学を卒業、パリ天文台の研究生を経て、1849年モンペリエ大学の講師、1852年に数学教授になり、1881年に引退するまで務めた。1873年からパリ科学アカデミーの通信会員。
天体の自由表面の形と内部構造を研究し、1848年、ロッシュ限界(惑星や衛星が破壊されずにその主星に近づける限界の距離のこと)を計算した。そして土星の環(わ)が、土星に近づきすぎた衛星が破壊されてできたものであると説明した。また重星系で重力相互作用を受ける自由表面(たとえば海面)の形状を計算するロッシュ・ローブを定義づけた。1859年には彗星(すいせい)の形状を太陽からの斥力効果で説明、1873年にはラプラスの星雲説を分析し、成立条件を示した。数学では、テーラー展開の余剰項に関する研究で知られる。
[編集部 2023年6月19日]
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