ロジャーズ(James Edwin Thorold Rogers)(読み)ろじゃーず(英語表記)James Edwin Thorold Rogers

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ロジャーズ(James Edwin Thorold Rogers)
ろじゃーず
James Edwin Thorold Rogers
(1823―1890)

イギリスの経済学者。ロンドン大学とオックスフォード大学で学び、イングランド教会聖職者となったが、のちR・コブデンらとの交友で経済学に転じた。ロンドン大学、オックスフォード大学教授を経て、1880~86年下院議員となり、のちまたオックスフォード大学教授となる。C・F・バスティアやコブデンの影響のもとに自由放任論を唱えたが、後年労働組合を擁護した。主著に『イングランド農業・価格史』全八巻(1866~93)や『イングランド銀行初期九年史』(1887)などの史的研究がある。キャナン版が出るまでは、『国富論』の編者としても知られた。自由主義的経済学入門書の著者としても著名で、明治前半期の日本でも高橋達郎訳『泰西経済新論』や小山雄訳『社会経済要略』などが出版されている。

杉山忠平

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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