ロココ

精選版 日本国語大辞典 「ロココ」の意味・読み・例文・類語

ロココ

〘名〙 (rococo) 一八世紀にフランス中心ヨーロッパで盛行した美術様式建築装飾工芸から陶芸絵画に及ぶ。バロックに続き新古典主義に先立つ様式。曲線を好む豊かな装飾性においてバロックと通じるが、重厚なバロックに比べ、優美軽快で洗練された装飾を特徴とする。ロココ美術
檸檬(1925)〈梶井基次郎〉「ロココ趣味の浮模様を持った琥珀色やひすい色の香水壜」

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デジタル大辞泉 「ロココ」の意味・読み・例文・類語

ロココ(〈フランス〉rococo)

18世紀、ルイ15世時代のフランスを中心に欧州で流行した美術様式。バロックに次ぎ新古典主義に先立つもので、室内装飾から建築・絵画・工芸・彫刻に及ぶ。S字状曲線や、異国趣味による優美さ・軽快さ・繊細さが特徴。ロココ式ロココ文化。→ロカイユ
[類語]ロマネスクゴシックバロック

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ロココ」の解説

ロココ
Rococo

1720年頃から60年頃にかけて,フランスを中心にヨーロッパに流行した芸術様式。17世紀のバロックのあとを受け,18世紀末の新古典主義に先行した。その名称は岩(roc)という言葉から由来し,もと庭園を飾る人口の岩窟や貝殻などの自然物を模した装飾を呼んだ。洗練された繊細さや軽妙優雅な装飾性を特徴とし,貴族と大ブルジョワの芸術とされる。

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デジタル大辞泉プラス 「ロココ」の解説

ロココ

バラの園芸品種名。つる性で大輪、杏色の花をつける。返り咲き。作出国はドイツ。

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世界大百科事典(旧版)内のロココの言及

【ドイツ美術】より

…ミュンヘンのザンクト・ミヒャエル教会(1582‐97)は,ウォルフェンビュッテルWolfenbüttelのプロテスタントの聖母教会(1608起工)とともに,この時期南北ドイツの宗教界の様相を物語る。ルネサンス美術
【バロック,ロココ】
 三十年戦争(1618‐48)はドイツ全土を混乱に陥れ,芸術界がその荒廃と疲弊とからようやく回復の兆しをみせ始めるのは17世紀の後半になってからである。それはまず北のプロテスタント地域ではオランダからの,南のカトリック地域ではイタリアからの感化を受けて出発する。…

※「ロココ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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