日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロアール川」の意味・わかりやすい解説
ロアール川
ろあーるがわ
la Loire
フランス中部を流れて大西洋に注ぐ川。全長1020キロメートルは同国最長、流域面積11万5120平方キロメートルは全国土の5分の1強を占める。セベンヌ山地中部西麓(せいろく)の標高1408メートルに発し、南流してすぐ北に転ずる。ロアンヌを経て、ブルボネ、ブルゴーニュ両地方の間を北西流し、ヌベール下流で南からのアリエ川を入れ、オルレアンで転じて南西流し、トゥールの下流左岸でシェル川、アンドル川、ビエンヌ川と合流、ナントの下流に三角口を形成して大西洋に入る。河口の北側に港湾都市サン・ナゼールが位置する。オルレアン上流付近からセーヌ川へ、ヌベール付近からソーヌ川へ運河が通ずる。上流部はダムによる電源地帯、下流域には原子力発電所が建設されている。オルレアンから下流にはブロア城、ショーモン城、アンボアーズ城、ランジェ城、ソーミュール城とフランス王室ゆかりの名城が多く、ジャンヌ・ダルクにまつわるオルレアンとともに観光地となっている。
[高橋 正]