日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
レントゲン(照射線量の単位)
れんとげん
roentgen
照射線量の単位。記号はR。X線やγ(ガンマ)線を空気中で照射した場合、空気1.293×10-6kg・m-3から放出される粒子が一静電単位に等しい電気量を生じるようなX線またはγ線の量として定義される。この空気の値は、標準状態での乾燥空気の密度である。この定義は、空気1キログラム当り2.58×10-4クーロンと読み換えることが多い。X線の出力の目安として1立方センチメートルの空気に生ずる電離を用いる考えは1908年に提案された。名称は、X線の発見者レントゲンにちなむ。1928年の放射線会議で提案されたときは、空気の量は体積であったが、9年後に質量で定義された。一時レントゲンは照射線量と吸収線量の両方に臨床分野で用いられていたが、1956年になって吸収線量にはラドを、照射線量にはレントゲンを用いるように決められた。
[小泉袈裟勝]
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