日本大百科全書(ニッポニカ) 「レオポルト(3世)」の意味・わかりやすい解説
レオポルト(3世)
れおぽると
Leopold Ⅲ
(1901―1983)
ベルギー王(在位1934~51)。アルベール1世の長子。イギリスのイートン・カレッジに学び、歴史家ピレンヌらの指導を受ける。1935年成立のゼーラント国民連合政権の助力により、平価切下げを断行、失業問題などを解決した。ベルギーの中立政策を推進して、世界平和を訴える。39年軍の統帥権を掌握。第二次世界大戦中の1940年、ナチス・ドイツ軍の侵入にあたっては亡命政権への参加を拒み、無条件降伏をした。レーケン宮に軟禁、44年家族とともにドイツに連行された。戦後、大戦中の王の行動が非難され、王弟が摂政(せっしょう)となった。50年に王のベルギー帰還が国民投票で実現したが、翌51年息子のボードゥアン1世Baudouin Ⅰに王位を譲った。
[黒沢文貴]