レオ(13世)(読み)れお(英語表記)Leo ⅩⅢ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「レオ(13世)」の意味・わかりやすい解説

レオ(13世)
れお
Leo ⅩⅢ
(1810―1903)

ローマ教皇(在位1878~1903)。俗名ジョアキノ・ペッチGioacchino Pecciといい、元ペルージア司教。高齢と虚弱な健康状態にもかかわらず、在位期間は25年と長かった。ピウス9世を継いで、近代世界に対する教会の姿勢を確立することに専念した。第一バチカン公会議(1869~1870)の刷新運動を継続するとともに、文化面で教会が指導的立場をとりうるように学問を奨励し、社会的分野では回勅「レールム・ノバールム」によって雇主と労働者とのあるべき関係を説き、さらにアフリカ、アジアへの布教活動を進めた。ビスマルクとの「文化闘争」の調停に努めるなど、外交問題に優れた手腕を発揮した。

[磯見辰典]

『ハヤールほか著、上智大学中世思想研究所編訳・監修『キリスト教史11』(1991・講談社)』『P・G・マックスウェル・スチュアート著、高橋正男監修、月森左知、菅沼裕乃訳『ローマ教皇歴代誌』(1999・創元社)』

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旺文社世界史事典 三訂版 「レオ(13世)」の解説

レオ(13世)
Leo XII

1810〜1903
ローマ教皇(在位1878〜1903)
ビスマルクと和解して文化闘争を終結させ,イタリア王国と対抗して教皇の地位を守った。多くの回勅を出し,また海外布教にも努力した。

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