レオ(10世)(読み)れお(英語表記)Leo Ⅹ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「レオ(10世)」の意味・わかりやすい解説

レオ(10世)
れお
Leo Ⅹ
(1475―1521)

ローマ教皇(在位1513~1521)。ロレンツォ・デ・メディチの息子で、前名ジョバンニ・デ・メディチGiovanni de' Medici。彼は善良で敬虔(けいけん)ではあったが、文学や芸術の愛好家にして保護者であり、ユリウス2世によって残された教皇庁の財産をたちまち蕩尽(とうじん)した。フランソア1世政教条約を結び(1516)、第五ラテラン公会議を実りないままに閉じた(1517)。聖ペトロ教会再建資金をつくりだすため贖宥(しょくゆう)状販売を認め、ルターがそれに反対命題掲示(1517)したことから、宗教改革が始まった。レオ10世は教書『エクススルジェ・ドミネ』を発布して異端を断罪したが、事態を収拾できなかった。

[佐藤三夫 2017年12月12日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

旺文社世界史事典 三訂版 「レオ(10世)」の解説

レオ(10世)
Leo Ⅹ

1475〜1521
ローマ教皇(在位1513〜21)
ロレンツォ=デ=メディチの第2子。ルネサンス文芸の奨励者として知られるが,その豪華な生活は財政危機を招き,サン−ピエトロ大聖堂修築費捻出のためにドイツでの贖宥状販売を許可し,宗教改革のきっかけをつくった。

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