レイシ(キノコ)(読み)れいし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「レイシ(キノコ)」の意味・わかりやすい解説

レイシ(キノコ)
れいし / 霊芝

マンネンタケ(マンネンタケ科のキノコ)の中国名。簡体字で「灵芝」と書く。中国の本草(ほんぞう)学の影響を受けた日本でも、レイシの名は古くから用いられている。日本最古の本草書である『本草和名(ほんぞうわみょう)』には赤芝、紫芝、黒芝のほか、単に芝として載せられている。すなわち、芝とはレイシのことである。古来、中国ではレイシを幸福をもたらすキノコとして、その発生を瑞兆(ずいちょう)とした。また、霊芝には霊験(れいげん)あらたかなキノコの意味もあり、中国、日本とも瑞祥を表す多くの名がつけられた。たとえば、仙草、吉祥茸(たけ)、神芝(しんし)、幸菌(さいわいたけ)、福草(さきくさ)などがある。京都市北区鷹峯(たかがみね)にある源光庵(あん)という寺の門前には「開運霊芝観世音」と刻んだ石柱が立っている。本尊釈迦牟尼(しゃかむに)仏であるが、別に霊芝自然(じねん)の観音(かんのん)像が祀(まつ)られている。1年に1回、10月19日に開帳される。

[今関六也]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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