ルモンド(英語表記)〈フランス〉Le Monde

精選版 日本国語大辞典 「ルモンド」の意味・読み・例文・類語

ル‐モンド

(Le Monde 「世界」の意) フランス新聞。パリ発行夕刊紙。一九四四年創刊。知識層に影響力をもつ中立紙。週刊英語版も発行。

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デジタル大辞泉 「ルモンド」の意味・読み・例文・類語

ル‐モンド(〈フランス〉Le Monde)

《世界の意》フランスの代表的な夕刊紙。1944年創刊。論調はやや進歩的とされ、解説論評が充実している。部数は約29万部(2009年平均)。

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改訂新版 世界大百科事典 「ルモンド」の意味・わかりやすい解説

ル・モンド
Le Monde

現代フランスの代表的な高級夕刊新聞。1944年12月18日(日付は19日)対ドイツ協力紙《ル・タンLe Temps》の後継紙として,社屋なども引き継いで創刊された。創刊の中心人物は,1934年から《ル・タン》のプラハ特派員をしていたブーブ・メリーHubert Beuve-Méry(1902-89)だった。彼を責任者に選んだのはド・ゴールで,その意図は御用新聞づくりだった。しかし〈言論の自由〉を信条とするブーブ・メリーは,むしろ第四共和政批判の立場に立った。と同時に紙面の質を高めるため,国際ニュースを多く扱い,単なる情報でなく分析や解説を重視し,ニュース写真は使わないなどを編集方針とした。51年春から重役会内での対立が深まり,ブーブ・メリーは7月にいったん社長を辞任したが,彼を支持する記者会の結束で,9月には社長に復帰した。この混乱の経験をもとに慎重な討論がつづけられて,68年3月の協約では記者会が《ル・モンド》の株の40%を所有することになり,人事や編集方針に対する記者の発言権が強化された(これを〈内部的自由〉の確立といい,西ドイツやフランスではそのための運動が活発となっている)。69年ブーブ・メリーは老齢理由に引退した。ちょうどそのころから《ル・モンド》の(また一部を除くパリ新聞界全体の)経営状況が悪化し,部数も最盛時(約60万部)の半分近くまで落ち込み,負債はかさみ,経営改善の苦闘が今もつづいている。90年代半ばの時点で,年間発行部数は平均して約35万部。
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世界大百科事典(旧版)内のルモンドの言及

【タン】より

…40年のナチス占領後は,ビシー政府支配下のリヨンに移って続刊したが,42年11月末,検閲局から愛国的記事の掲載禁止措置を受けたので,抗議の意思表示としてみずから廃刊の道を選んだ。現在の《ル・モンド》は,《タン》の設備を用いて創刊され,国際記事に強い伝統も受け継いでいる。【稲葉 三千男】。…

※「ルモンド」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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