ルートウィヒ(英語表記)Ludwig, Carl Friedrich Wilhelm

精選版 日本国語大辞典 「ルートウィヒ」の意味・読み・例文・類語

ルートウィヒ

[一] (Ludwig) 二世。東フランク王(在位八四三‐八七六)。カール大帝の孫、ルートウィヒ一世(ルイ一世)の次子。八四三年、ベルダン条約で東フランクを得、メルセン条約遺領の中部フランクを西フランク王カール二世(シャルル)と分割、のちのドイツ発展の基礎を築いた。ドイツ人王。(八〇四頃‐八七六
[二] (Otto Ludwig オットー━) ドイツの劇作家小説家。写実的描写で、悲劇的人間の運命を描いた。代表作、悲劇「世襲山林監督」、小説「天と地の間」など。(一八一三‐六五

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デジタル大辞泉 「ルートウィヒ」の意味・読み・例文・類語

ルートウィヒ(Ludwig)

(10世)[1495~1545]バイエルン公。在位1516~1545。父アルブレヒト4世が決めた長子相続異議を唱え、兄のウィルヘルム4世とバイエルンを共同統治した。

ルートウィヒ(Otto Ludwig)

[1813~1865]ドイツの劇作家・小説家。悲劇的な人間の運命を写実的に描いた。悲劇「世襲山林監督」、小説「天と地の間」、演劇論シェークスピア研究」など。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ルートウィヒ」の意味・わかりやすい解説

ルートウィヒ
Ludwig, Carl Friedrich Wilhelm

[生]1816.12.29. ウィッツェンハウゼン
[没]1895.4.23. ライプチヒ
ドイツの生理学者。エルランゲンマールブルク大学に学び,マールブルク大学解剖学教授 (1846~49) を経て,チューリヒ (49) ,ウィーン (55) ,ライプチヒ (65~95) 各大学教授。生理学研究の機器づくりに秀で,1847年にキモグラフ kymographという運動記録器を血圧の変化と呼吸運動の記録用に創案。 56年血漿に近い組成をもった溶液の中でカエルの心臓を生きた状態のまま保つことに成功。これは動物の臓器を体外に取出して生かし続けた最初の例であり,灌流実験法のさきがけとなった。血液循環や心臓の拍動に関しても研究を行い,71年に,心臓の筋肉はその極限まで収縮するか,あるいはまったく収縮しないかのいずれかであって,その中間はありえないことを定式化した。また,腎臓の表層に尿をろ過する機能のあるのを発見 (44) 。 H.ヘルムホルツ,E.ブリューガー,E.デュ・ボア=レイモンとともに生物物理学運動を展開した。

ルートウィヒ
Ludwig, Otto

[生]1813.2.12. チューリンゲンアイスフェルト
[没]1865.2.25. ドレスデン
ドイツの小説家,劇作家。早くから詩と音楽の才能を認められ,1838年オペラを上演,翌年マイニンゲン公の庇護を受け,ライプチヒでメンデルスゾーンに師事したが,持病のリウマチと内気な性格のため音楽を断念,44年に伯父の遺産を得てドレスデンの山荘にこもり文学に専念,詩的リアリズムを唱えた。戯曲『世襲山林管理官』 Der Erbförster (1850) ,『マッカベーアー一族』 Die Makkabäer (54) ,恋愛物語『陽気な娘』 Die Heiterethei (54) ,小説『天と地の間』 Zwischen Himmel und Erde (56) などのほか,シェークスピアを崇拝して,『シェークスピア研究』 Shakespeare-Studien (71) を著わした。

ルートウィヒ
Ludwig, Emil

[生]1881.1.25. ブレスラウ(現ポーランド,ウロツワフ)
[没]1948.9.17. スイス,アスコナ近郊
ドイツの小説家,劇作家,伝記作家。第1次世界大戦中ジャーナリストとして活躍,偉人の生涯を描き,大衆的な成功を博した。主著『ビスマルク』 Bismarck (1912) ,『ゲーテ』 Goethe (20) ,『ルーズベルト』 Roosevelt (38) ,『ナポレオン』 Napoleon (39) ,『ベートーベン』 Beethoven (43) など。

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改訂新版 世界大百科事典 「ルートウィヒ」の意味・わかりやすい解説

ルートウィヒ
Otto Ludwig
生没年:1813-65

ドイツ写実主義の作家。彼が提唱した理想主義と自然主義の統一を目ざす〈詩的写実主義〉は,19世紀後半の自然主義に至るまでの時代を表す文学史上の概念として今日も使用される。チューリンゲンのアイスフェルトに生まれ,最初ライプチヒで音楽を学ぶ。その後文学に転向,シェークスピアに感銘して劇作家を目ざし《世襲山林監督》(1853)などの悲劇を書いたが,本領は小説にある。代表作は屋根葺師兄弟の争いを描く心理小説《天と地の間》(1856)。ただし地方的・倫理的性格が強く,郷土文学としての限界も感じられる。
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