ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ルートウィヒ」の意味・わかりやすい解説
ルートウィヒ
Ludwig, Carl Friedrich Wilhelm
[没]1895.4.23. ライプチヒ
ドイツの生理学者。エルランゲン,マールブルク大学に学び,マールブルク大学解剖学教授 (1846~49) を経て,チューリヒ (49) ,ウィーン (55) ,ライプチヒ (65~95) 各大学教授。生理学研究の機器づくりに秀で,1847年にキモグラフ kymographという運動記録器を血圧の変化と呼吸運動の記録用に創案。 56年血漿に近い組成をもった溶液の中でカエルの心臓を生きた状態のまま保つことに成功。これは動物の臓器を体外に取出して生かし続けた最初の例であり,灌流実験法のさきがけとなった。血液循環や心臓の拍動に関しても研究を行い,71年に,心臓の筋肉はその極限まで収縮するか,あるいはまったく収縮しないかのいずれかであって,その中間はありえないことを定式化した。また,腎臓の表層に尿をろ過する機能のあるのを発見 (44) 。 H.ヘルムホルツ,E.ブリューガー,E.デュ・ボア=レイモンとともに生物物理学運動を展開した。
ルートウィヒ
Ludwig, Otto
[没]1865.2.25. ドレスデン
ドイツの小説家,劇作家。早くから詩と音楽の才能を認められ,1838年オペラを上演,翌年マイニンゲン公の庇護を受け,ライプチヒでメンデルスゾーンに師事したが,持病のリウマチと内気な性格のため音楽を断念,44年に伯父の遺産を得てドレスデンの山荘にこもり文学に専念,詩的リアリズムを唱えた。戯曲『世襲山林管理官』 Der Erbförster (1850) ,『マッカベーアー一族』 Die Makkabäer (54) ,恋愛物語『陽気な娘』 Die Heiterethei (54) ,小説『天と地の間』 Zwischen Himmel und Erde (56) などのほか,シェークスピアを崇拝して,『シェークスピア研究』 Shakespeare-Studien (71) を著わした。
ルートウィヒ
Ludwig, Emil
[没]1948.9.17. スイス,アスコナ近郊
ドイツの小説家,劇作家,伝記作家。第1次世界大戦中ジャーナリストとして活躍,偉人の生涯を描き,大衆的な成功を博した。主著『ビスマルク』 Bismarck (1912) ,『ゲーテ』 Goethe (20) ,『ルーズベルト』 Roosevelt (38) ,『ナポレオン』 Napoleon (39) ,『ベートーベン』 Beethoven (43) など。
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