ルメートル(フランスの批評家、作家)(読み)るめーとる(英語表記)Jules Lemaitre

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ルメートル(フランスの批評家、作家)
るめーとる
Jules Lemaitre
(1853―1914)

フランスの批評家、作家。高等師範学校(エコール・ノルマル・シュペリュール)を出て各地の高等中学校(リセ)、大学で教える。のち(1884)、『ルビュ・ブルー』誌や『ジュルナール・デ・デバ』紙などの定期寄稿家となる。主著は『同時代作家論』Les Contemporains全八巻(1885~1918)、『演劇印象記』Impression de théâtre全11巻(1888~1920)。古典主義的中庸と、印象に基づく共感がその批評の特徴である。『古い書物の余白に』全二巻(1905~07)は、ホメロスからナポレオン至る古典的テクストの拾遺という形をとったコント集であり、いまも読むに堪える。なによりも平明な文体が魅力的である。

[松崎芳隆]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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