ルフェーブルデタープル(英語表記)Jacques Lefèvre d'Étaples

改訂新版 世界大百科事典 「ルフェーブルデタープル」の意味・わかりやすい解説

ルフェーブル・デタープル
Jacques Lefèvre d'Étaples
生没年:1450ころ-1536

フランスの人文学者,宗教改革の先駆者。ラテン名ファベル・スタプレンシスFaber Stapulensis。北フランス,ピカルディーのエタープルに生まれ,パリに学び人文学教授となり,1507年サン・ジェルマン・デ・プレ修道院長の地位についてフランスのルネサンス学問を代表した。聖書研究と聖書翻訳を出版し,宗教改革の志を抱き,〈信仰による義認〉の教理の強調はルターに先んじている。20年に門下のブリソンネGuillaume Briçonnetたちとともにモー司教区の改革に着手,新約聖書の初のフランス語訳を完成するなどしたが,まもなく異端嫌疑をかけられて逃亡,以後沈黙する。30年に南フランス,ネラクに隠退,マルグリット・ド・ナバール庇護を受けこの地で死んだ。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android