リース(英語表記)lease

翻訳|lease

精選版 日本国語大辞典 「リース」の意味・読み・例文・類語

リース

(Ludwig Riess ルートウィヒ━) ドイツの歴史家。ランケの弟子。明治二〇年(一八八七)に来日。帝国大学文科大学で近代的な実証史学を講じた。(一八六一‐一九二八

リース

〘名〙 (lease) 賃貸。一般には長期の賃貸。「リース産業」「リースの機械を備えつける」など。→レンタル

リース

〘名〙 (wreath) ドアや壁面などを生花、造花などで飾る花輪飾り。「クリスマスリース」

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デジタル大辞泉 「リース」の意味・読み・例文・類語

リース(lease)

[名](スル)機械や設備などの、賃貸。一般には長期のものをいう。「複写機をリースする」→レンタル
[類語]賃貸賃貸し貸す貸し出す用立てる貸し切る貸し付ける貸し渋り貸与貸し付け融資金融融通又貸し転貸前貸し貸し金貸し切りローンレンタル

リース(wreath)

花や葉、木の枝などを編んで作った輪飾り。「クリスマスリース

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改訂新版 世界大百科事典 「リース」の意味・わかりやすい解説

リース
Riesz Frigyes
生没年:1880-1956

ハンガリーの数学者。ジェールに生まれ,チューリヒ工科大学,ブダペストゲッティンゲン,パリの諸大学で学ぶ。1912年にコロジバール大学教授となる。この大学は20年にセゲドに移され,ここでリースはハールHaar A.とともに,非ユークリッド幾何の発見者ボーヤイJ.の名を冠する数学研究所を創設し,かつ雑誌《Acta Scientiarum Mathematicarum》を創刊した。46年にリースはブダペスト大学教授となった。彼は解析学,とくに関数解析に関連した一般理論を研究した。まず関数空間L2の完備性を証明し(1907),これはリース=フィッシャーの定理と呼ばれている。次に完備な関数空間Lpp≧1)を導入,また関数空間L2の上の連続な線形汎関数の全体はL2自身になることを証明し,これがヒルベルト空間論の基礎定理であることを強調した。またI.フレドホルムの積分方程式論を抽象化して《線形関数方程式論》(1918)を発表した。このようにして,リースの業績は実関数論,複素関数論,劣調和関数論,積分方程式論,関数解析に及んだ。また平均エルゴード定理を証明して統計力学にも寄与した。なお,セーケファルビ・ナジSzőkefalvi-Nagy B.との共著《関数解析学》(1952)はハンガリーの原書からフランス訳したものである。リースの弟マルセル・リースMarcel Riesz(1886-1969)も著名な数学者で,永くスウェーデンルンド大学の教授をつとめた。
執筆者:

リース
Ludwig Riess
生没年:1861-1928

ドイツの歴史学者。1887年に来日し,1902年まで東京大学で世界史,史学研究法を講じた。彼はランケの弟子として,日本の官学アカデミズムにランケ流の文献的・考証的方法に基づく歴史学研究法を導入し,日本史学の確立を唱え,また史学科の整備,史学会の結成を提唱して実現させた。その弟子には白鳥庫吉辻善之助,黒板勝美などがいる。帰国後,ベルリン大学,陸軍大学教授を務めた。著書に《世界歴史》《近代日本発展史》などがある。
執筆者:

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リース」の意味・わかりやすい解説

リース
Riess, Adam G.

[生]1969.12.16. ワシントンD.C.
アメリカ合衆国の天文学者。フルネーム Adam Guy Riess。1992年マサチューセッツ工科大学を卒業,1996年ハーバード大学天体物理学の博士号を取得。ローレンス・リバモア国立研究所,ハーバード大学,カリフォルニア大学バークリー校,宇宙望遠鏡科学研究所 STScIを経て 2006年からジョンズ・ホプキンズ大学の教授を務める。1994年,ブライアン・P.シュミットが立ち上げた高赤方偏移超新星探査チーム HZT(→赤方偏移)に参加し,超遠方の超新星の探査を開始,データのコンピュータ解析で画期的な働きをした。Ia型超新星の観測から宇宙膨張率を求め,1998年,観測した超新星 16個の明るさは予想より暗く,宇宙の膨張は加速していると発表した。同 1998年に,ローレンス・バークリー研究所の超新星宇宙論プロジェクト SCPも同様な結果を公表した。2011年,多数の超新星を観測して宇宙の膨張が加速していることを発見した功績により,シュミット,SCPのソウル・パールムッターとともにノーベル物理学賞を受賞した。(→一般相対性理論宇宙論

リース
Riesz Frigyes

[生]1880.1.22. ジェール
[没]1956.2.28. ブダペスト
ハンガリーの数学者,関数解析学の開拓者。父は物理学者,弟は数学者。チューリヒ,ブダペスト,ゲッティンゲンの大学に学び,ゲッティンゲン大学で学位を取る。クルージ大学教授 (1914) 。 1922年より,創刊されたヤーノス・ボリヤイ研究所の雑誌"Acta Scientiarum Mathematicarum"の編集に従事。ブダペスト大学数学教授 (46) 。 07年のリース=フィッシャーの定理によって,初期量子論の分野に貢献。エルゴード理論,半順序ベクトル空間理論,位相幾何学などの分野にも貢献した。主著"Leçons d'analyse fonctionnelle" (52) 。この本は関数解析の最も読みやすい入門書の一つであり,英語,ドイツ語に訳されている。

リース
lease

賃貸借のこと。本来は,資産 (土地,船舶など) の所有者が,一定期間,使用料を徴収して,ほかの者にその資産の所有と占有権を与えることであるが,現在産業用語としては,各種の動産をも含めて,リース会社が2~5年のリース期間を設定して物件の賃貸しをすることをいう。リース物件は,タイプライタからジェット機までといわれるくらい種類が多く,利用者は一時に多額の購入資金を必要とせず,また常に最新鋭の機械,設備を更新して利用できるなどのメリットがある。契約にはリース会社が修理,維持,その他のサービスを提供するメインテナンス・リースと,これを使用者がもつファイナンス・リースとがある。これに対して賃貸期間が比較的短く,時間,週,月単位で賃貸しする方式をレンタルといっている。 (→レンタル制 )

リース
Riess, Ludwig

[生]1861.12.1. クローネ
[没]1928.12.27. ベルリン
ユダヤ系ドイツ人の史学者。 1884年7月ベルリン大学で哲学博士の学位を得,イギリスに学び,87年2月4日招かれて東京大学史学科講師としてヨーロッパにおける最新の科学的歴史研究法を伝えたほか,学生の養成にもあたった。「史学会」の創設を促し,ランケ史学の移植に努め,1902年7月 31日退任。帰国後ベルリン大学講師,次いで助教授となった。夫人は大塚氏。日露戦争が起った際,ドイツの5つの新聞に日本の事情を説く論文を寄稿し,のちにそれをまとめた。『日本雑記』 Allerlei aus Japan (1904~08) ,『近代日本発展史』 Die Entwicklung des modernen Japan (14) などの著述がある。

リース
Reith, John Charles Walsham, 1st Baron Reith

[生]1889.7.20. ストーンヘーブン
[没]1971.6.16. エディンバラ
イギリス放送協会 BBCの初代会長。王立グラスゴー工学院卒業後,第1次世界大戦では技術者として軍の仕事をしていたが,1922年12月 BBC設立にあたって,これを非営利の独占形態とするために尽力し,1927~38年には初代会長としてイギリス全土に BBC放送網を築き上げた。1939年英国海外航空 BOACを創設(→英国航空),その社長となった。自伝 "Into the Wind"(1949),"Wearing Spurs"(1966)がある。

リース
Reese, Lizette Woodworth

[生]1856
[没]1935
アメリカの女流詩人。ボルティモアのウェスタン・ハイスクールで教鞭をとりつつ,メリーランドの田園風景を素朴に歌った詩を書いた。『5月の枝』A Branch of May (1887) 以下の詩集がある。ほかに回想録,自伝など。

リース
Rhys, Ernest Percival

[生]1859.7.17. ロンドン
[没]1946.5.25. ロンドン
イギリスの編集者,小説家,詩人,批評家。「エブリマン」叢書の命名者で,主としてその編集者として記憶される。

リース
Al-Līth

サウジアラビア西部,ヒジャーズ地方南部の紅海沿岸の港町。ジッダの南東 190kmに位置し,米,野菜,果実,モロコシ (ムルカム) ,ナツメヤシを産する。

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朝日日本歴史人物事典 「リース」の解説

リース

没年:1928.12.27(1928.12.27)
生年:1861.12.1
明治中期のお雇い外国人。ドイツ人歴史学教師。西プロイセンの小都市ドイッチュクローネ(現ポーランド領)の手工業者の子として生まれ,ベルリン大学在学中,晩年の歴史家ランケの写字生をし,1883年7月イギリス議会選挙権史の研究により同大学で博士号取得,3度目のイギリス旅行中に招かれて,明治19(1886)年2月帝大文科大学史学科教師として来日,15年間にわたり,ヨーロッパの歴史,史学方法論,史料編纂法などを講じ,総長渡辺洪基や教授重野安繹らに説いて史学会(現在は財団法人)の設立を促し,また日本関係海外史料の採訪,それに基づく論文執筆の範を示して,日本の近代アカデミー史学の育ての親の役割を果たした。門下に村上直次郎,辻善之助,幸田成友,箭内亘,村川堅固,斎藤阿具,内田銀蔵,三浦周行,阿部秀助らがいる。別に24年1月から2年間慶応義塾大学部でも教えた。当初は加賀屋敷(東大構内)の教師館に住み,賄い人大塚熊之助の娘ふくと結婚,1男4女を挙げたが,35年8月帰国のとき家族を本郷弥生町の家に残している。帰国後は母校ベルリン大学の講師,次いで教授,別に陸軍大学教授も兼ね,グラーフェンレントとかゲンツの筆名でドイツの新聞5紙に寄稿し,これをまとめた『日本雑記』(1904)を刊行し,またハイデルベルク大学のG.ウェーバーの『世界史教程』『大世界史』の改訂にも当たった。<参考文献>金井圓「リース」,国立教育会館編『教養講座シリーズ』59巻

(金井圓)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

ASCII.jpデジタル用語辞典 「リース」の解説

リース

物品による賃貸借取引。具体的には、顧客とメーカーとの間で購入の話がまとまった設備機器などについて、リース会社がメーカーからこれを買い取りしたうえで顧客に賃貸すること。顧客は設備の調達を「長期間の賃借」という形で行なうため、「リース料は賃借料として全額損金処理できる」という税制上のメリットを生かせ、大企業・中小企業をとわず幅広く活用されている。レンタルとの違いは、リースはユーザーが希望する物件が対象に中途解約不可だが、レンタルはレンタル会社が選択した物件が対象に中途解約可能であることなどで違いがある。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「リース」の解説

リース
Ludwig Riess

1861.12.1~1928.12.27

日本近代歴史学の基を築いたドイツの歴史家。西プロイセン出身。1880年ベルリン大学入学,84年中世イギリス議会制度史の研究で博士の学位を取得。87年(明治20)帝国大学文科大学に招聘され史学科の創設に参与,1902年に帰国するまでヨーロッパ実証史学の移植と西洋史学専攻者の養成に尽力した。帰国後ベルリン大学講師および教授に就任。著書「歴史学方法論」「近代ヨーロッパの基礎」(ともに独文)。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「リース」の解説

リース Riess, Ludwig

1861-1928 ドイツの歴史学者。
1861年12月1日生まれ。政府の招きで明治20年(1887)来日し,帝国大学でランケの歴史学をおしえた。文献実証的な歴史学研究法を導入し,史学会の創設,「史学会雑誌」(のち「史学雑誌」)の創刊につくした。35年帰国。弟子に白鳥庫吉(くらきち),辻善之助らがいる。1928年12月27日死去。67歳。ベルリン大卒。著作に「日本雑記」など。

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ピティナ・ピアノ曲事典(作曲者) 「リース」の解説

リース

ドイツ、ボン生まれのピアニスト、作曲家。父はヴァイオリニストで、一時期ベートーヴェンの師でもあった。フェルディナントは父のもとで研鑽を積むなどしたのち、1801年にベートーヴェンを訪れ、秘書や写譜の仕 ...続き

出典 (社)全日本ピアノ指導者協会ピティナ・ピアノ曲事典(作曲者)について 情報

流通用語辞典 「リース」の解説

リース【lease】

機械や設備を一定期間、特定の相手に有料で貸し出すこと。技術革新によって、機械や設備の陳腐化が早まるなかで、いつでも最新の設備や機械の導入が可能、経営資金の長期固定化を防ぐことができる、などの理由により、リースを利用する。レンタルとの違いは、その貸出期間の長短にあり、リースは年単位の長期貸出が通常である。

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百科事典マイペディア 「リース」の意味・わかりやすい解説

リース

レンタル

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世界大百科事典(旧版)内のリースの言及

【賃貸借】より


[動産の賃貸借]
 以上主として不動産賃貸借についてみてきたが,動産についてはあまり争いになることはなかった。ところが,近時リースとかレンタルというかたちで動産の賃貸借が盛んに行われるようになってきている。レンタルといわれるものは,総じて,短期間の契約であることが多く,あまり問題にならないが,リースのほうは,信用供与と結合した複雑な契約であることが多く,種々の問題が生じている。…

【関数空間】より

…【伊藤 清三】。。…

【関数空間】より

…通常,関数空間においては距離を定義して収束を考える。このような研究方法は,20世紀に入ってから,フレッシェM.Fréchet,リースF.Rieszらによって始められたものである。以下に重要な関数空間の例を挙げる。…

【世界史】より

…日本ではこのほか万国史といういい方があったが,国民国家の列挙という意味が強く今は使用されない。 世界史ということばの定着したのは,ドイツの歴史家ランケ晩年の弟子であるL.リースが1887年東京大学に招かれて講義してからではないかと思われる。現在われわれは全地球をおおう普遍的世界のなかにおり,世界は一つであることを日常的に体験しているが,ランケが晩年世界史を構想したときも,あらゆる国家は蒸気機関と電信によってごく密接に統一され,広い地球上にはなんら絶対的の分離はないという世界意識を述べている。…

※「リース」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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