リンカーンシャー県(読み)リンカーンシャー(英語表記)Lincolnshire

翻訳|Lincolnshire

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リンカーンシャー県」の意味・わかりやすい解説

リンカーンシャー〔県〕
リンカーンシャー
Lincolnshire

イギリスイングランド東部の県。県都リンカーン。1974年の自治体再編により,北部のリンジー地区北部がハンバーサイド県の一部として分離された。北海に面する県で,南北に延びる二つの丘陵地帯(西部のリンカーンエッジ,北東部のリンカーンウォルズ)を除く全域が低地からなり,南東部のウォッシュ湾周辺一帯にはフェン地方と呼ばれる低地が広がる。フェン地方はかつては広大な湿地帯であったが,ローマ時代には排水干拓が行なわれ,コムギの栽培が試みられていた。17世紀以降,排水事業が本格的に始まってから農業地帯として発展し始めた。イギリス有数の農業県で,全面積の約 80%が耕地化されており,大規模経営によりオオムギ,コムギなどの主穀類,飼料作物テンサイ,野菜などが栽培され,家畜の飼育も行なわれる。特にフェン地方では園芸農業が盛んで,国内で最も高い生産性を誇る。工業も農業と密接に関連し,各種農業機械,肥料,農産物加工などが発達。東部海岸に沿う諸都市は,ミッドランド地方東部の人々が訪れる海浜保養地となっている。面積 5921km2。人口 67万8700(2005推計)。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android