リュウゼツラン(竜舌蘭)(読み)リュウゼツラン

百科事典マイペディア の解説

リュウゼツラン(竜舌蘭)【リュウゼツラン】

フクリンリュウゼツランとも。メキシコ原産のリュウゼツラン科リュウゼツラン属(アガベ)の常緑多年生多肉植物。観賞用として庭などに植えられる。葉は根生して多数つき,長線状披針形で厚く,長さ1〜2m,暗緑色で縁に黄色覆輪があり,あらい角質のとげがある。開花は約60年に1度といわれ,高さ4〜8mの花茎上に黄白色の花が円錐状に咲き,結実後枯れる。葉が青緑色のものをアオノリュウゼツランという。いずれも暖地では露地で栽培。また本属の小型のものは鉢植とされ,代表的なものとして,葉が厚くて白線が入り,先端だけにとげのあるササノユキ(笹の雪)などがある。サイザルアサも同属のもの。また同属のある種の茎から汁液を採取しテキーラを造る。
→関連項目熱帯植物

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

リュウゼツラン(竜舌蘭)
リュウゼツラン
Agave americana var.variegata; American aloe; century plant

リュウゼツラン科の大型常緑多年草。広義にはユリ科に含む場合もある。メキシコ原産の観葉植物で鉢植または庭園に栽培する。葉は根生し,多肉で長さ 1m以上になり,縁と先端に硬いとげがある。めったに花をみないが,花茎は株の中心から 5m以上も高くそびえ,黄色い筒状の花を多数つける。花がつくと全株は枯死する。日本には江戸時代天保年間 (1830~44) に渡来したといわれ,葉縁に黄色い斑 (ふ) のある品種がよく栽培されているが,黄色い斑のないものをアオノリュウゼツランという。この植物の葉を発酵させた酒がメキシコで有名なテキーラである。近似の種類が多く,なかでもサイザルアサ繊維植物として有名。

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