リボース(読み)りぼーす(英語表記)ribose

翻訳|ribose

精選版 日本国語大辞典 「リボース」の意味・読み・例文・類語

リボース

〘名〙 (ribose) ペントース一つ化学式は C5H10O5 リボ核酸の構成要素として生物界に広く分布している。板状結晶。吸湿性水溶性リボフラビンの合成原料になる。

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デジタル大辞泉 「リボース」の意味・読み・例文・類語

リボース(ribose)

単糖類の一。RNAリボ核酸)の糖成分、各種ヌクレオチド補酵素の構成成分として生体中に広く存在分子式C5H10O5

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「リボース」の意味・わかりやすい解説

リボース
りぼーす
ribose

化学式はC5H10O5で、アルドペントース一種。リボ核酸(RNA)、ヌクレオチド、ヌクレオシドの構成糖成分であり、デオキシリボ核酸DNA)の糖部分は、リボースの2位のヒドロキシ基が水素に置換したデオキシリボースである。天然にはD体だけが存在し、ヌクレオチド分子中ではフラノース型、遊離ではピラノース型をとる。核酸中で塩基とは、β(ベータ)-グリコシド結合をしている。塩基とリボースとリン酸とが共有結合したヌクレオチドはRNAのみならず、高エネルギー化合物ATP、生体酸化還元反応で重要なNAD+やNADP+など種々の補酵素の基本構造をなす。リボースの5位にリン酸の結合したリボース-5-リン酸は、光合成における炭酸還元サイクル、あるいは解糖系の別経路であるペントースリン酸経路で重要な役割を担っている。

[入江伸吉]


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百科事典マイペディア 「リボース」の意味・わかりやすい解説

リボース

化学式はC5H1(/0)O5。アルドペントースの一つ。天然にはD型のみ存在し,融点95℃,比旋光度[α](/D)=−23.7°。水に可溶,アルコールに難溶。RNAATPをはじめNAD,NADP,コエンザイムAなどの補酵素の構成成分として生物界に広く存在する。リボースの水酸基の一つが水素原子で置換されたものはデオキシリボースといわれ,融点78℃,比旋光度[α](/D)=−50°,生体内ではDNAの構成成分として主として核に含まれる。
→関連項目

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リボース」の意味・わかりやすい解説

リボース
ribose

化学式 C5H10O5 。リボ核酸の構成成分として,あらゆる生物細胞中に存在する単糖類アルドペントースの一種。D体とL体の2種の異性体があるが,天然にはD体のみ存在する。無色板状晶,融点 87℃。水に可溶,アルコールに難溶。ビタミン B2 の合成原料である。

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栄養・生化学辞典 「リボース」の解説

リボース

 C5H10O5 (mw150.13).

 D型はリボ核酸などの構成成分.ペントースリン酸回路でリン酸エステルが生成する.

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世界大百科事典(旧版)内のリボースの言及

【炭水化物】より

…さらに核酸などのヌクレオチド誘導体をあげなければならない。核酸においては単糖であるリボースとリン酸のホスホジエステル鎖が骨格をなし,リボースの還元基に結合した塩基が特異性を発揮する。糖が多価の結合基を有するという特性がここでも生かされている。…

※「リボース」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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