リボソームRNA(読み)リボソームアールエヌエー

化学辞典 第2版 「リボソームRNA」の解説

リボソームRNA
リボソームアールエヌエー
ribosomal RNA

略称rRNAリボソーム中に含まれているRNAで,細菌では30 Sリボソームサブユニットには16 S rRNA,50 Sサブユニットには23 S rRNA,5 S rRNAが含まれている.ほ乳類では40 Sサブユニットには18 S rRNA,60 Sサブユニットには28 S rRNA,5.8 S rRNA,5 S rRNAが含まれている.これらのRNAは高等生物では核小体で合成され,細胞内のRNAの約80% を占め,リボソームのアセンブリーの中心になるものと考えられている.アデニン(A),グアニン(G),シトシン(C),ウラシル(U)のほかにメチル化塩基を何種類か含んでいる.大腸菌の16 S rRNAについてはその一次構造の一部が決定され,大腸菌にコリシン E3 をかけたときには16 S rRNAが3′末端側から約50ヌクレオチドの部位で切断され,そのために,あるタンパク質が結合することができなくなり,リボソームが失活することが明らかになっている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

栄養・生化学辞典 「リボソームRNA」の解説

リボソームRNA

 リボソームに含まれるRNAで,真核生物では,リボソームの顆粒の小さい方(40Sサブユニット)に含まれる18SのRNAと,大きい方の顆粒(60Sサブユニット)に含まれる5S,5.8S,28SのRNAが知られている.これらのRNAは,45SプレrRNAとよばれる一つのRNAが切断されて生成する.プレRNAの遺伝子は,50〜1000個がスペーサーを介して連続してつながった形で核内の核小体に存在する.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

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