リナリア(英語表記)Linaria; spurred snapdragon; toadflax

デジタル大辞泉 「リナリア」の意味・読み・例文・類語

リナリア(〈ラテン〉Linaria)

オオバコ科ウンラン属の一年草または多年草北半球温帯分布。数種が観賞用に花壇などに栽培される。和名ヒメキンギョソウ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リナリア」の意味・わかりやすい解説

リナリア
Linaria; spurred snapdragon; toadflax

ゴマノハグサ科リナリア (ウンラン) 属の総称。地中海沿岸を中心に,ヨーロッパ,アジア,北アメリカなどに約 150種が分布する一年草または多年草。葉は対生または輪生し,上部で互生する。花は茎頂総状花序を形成する。花冠は2唇形で,上唇は2裂,下唇は3裂し,基部は筒状の距になる。一年草で,紫紅色や桃色,白色,淡黄色,ライラック色など多彩な花色の品種をもつヒメキンギョソウ L.maroccanaが最もよく栽培される。多年草としては,スミレ色の花をつけるリナリア・プルプレア L.purpureaや黄花のリナリア・ブルガリス L.vulgarisなども花壇や切り花に利用される。秋に種子をまく。日当りと水はけのよい環境を好む。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「リナリア」の意味・わかりやすい解説

リナリア
りなりあ
[学] Linaria bipartita Willd.

ゴマノハグサ科(APG分類:オオバコ科)の半耐寒性一年草。和名ヒメキンギョソウ(姫金魚草)。ムラサキウンラン(紫海蘭)ともいう。細いがしっかりした茎を直立し、高さ30~60センチメートル、下部に細い葉をつける。総状花序をつくり、キンギョソウに似た小花を開く。花色は紅、紅紫、濃紫、黄、白色などの混合色である。花冠は上唇と下唇に分かれ、上唇は反曲する。距(きょ)は優雅でとがり、やや湾曲する。北アフリカ、ポルトガル、スペイン南部原産。花壇、家庭用の切り花に適する。秋播(ま)きで、4~5月に開花する。日当り、排水のよい所なら土質を選ばない。窒素質が多すぎると茎葉が柔弱になり、倒伏しやすいので、リン酸とカリ肥料を利かせる。冬は霜よけするか、フレームに入れる。

[山口美智子 2021年8月20日]

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