リットニア(英語表記)Littonia madesta Hook.f.

改訂新版 世界大百科事典 「リットニア」の意味・わかりやすい解説

リットニア
Littonia madesta Hook.f.

ユリ科の非耐寒性球根植物。南アフリカ原産。地下に根茎があり,茎は細長くのびてからみつき,1~2mの高さとなる。光沢のある披針形葉を互生し,葉先は巻ひげとなり他物に巻きつく。7~9月に葉腋ようえき)よりオレンジ色で鐘形の花を単生下垂して咲かせる。キツネユリGloriosaグロリオサ)によく似ているが,花弁が反転しないので区別される。日本ではあまり栽培されていない。性質はキツネユリによく似ており,栽培もこれに準じて行ってよい。おもに鉢植えとして栽培される。植え時は4月。秋に葉が黄ばみはじめたら球根を掘り上げ,しめらせたおがくず詰めにして屋内の凍らないところで翌春まで貯蔵する。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「リットニア」の意味・わかりやすい解説

リットニア
りっとにあ
[学] Littonia

ユリ科(APG分類:イヌサフラン科)リットニア属の総称で、イギリスの植物学者リットンを記念して命名された。春植えのつる性植物で、塊茎がある。アフリカ、アラビア原産。8種あり、南アフリカ原産のモデスタL. modesta Hook.f.は有名である。本種はよく育つと2メートル以上に達し、ユリに似た葉の先は伸びて巻きひげとなり、登っていく。夏から秋、径約8センチメートルの濃黄色花を下向きに開く。花壇用、鉢植え用とされる。繁殖は分球か実生(みしょう)による。分球は排水のよい深い耕土の所で、30センチメートル平方に1球を植え込む。鉢植えの場合は6号鉢がよい。2年目に開花する。花期後、10月末くらいに掘り上げ、おがくずなどに入れて暖所に貯蔵する。

[川畑寅三郎 2018年11月19日]

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