日本大百科全書(ニッポニカ) 「リチャード(2世)」の意味・わかりやすい解説
リチャード(2世)
りちゃーど
Richard Ⅱ
(1367―1400)
プランタジネット朝最後のイギリス王(在位1377~99)。エドワード黒太子の子。祖父エドワード3世の死後即位。未成年の間、叔父ランカスター公ジョン・オブ・ゴーントらに補佐された。1381年のワット・タイラーの乱を年少ながら反徒たちとの会見に応じ、勇気ある行動をもって鎮圧。しかしその後専制的にふるまい、86年ジョン・オブ・ゴーントのスペイン遠征計画などはでな外交を許して国税の浪費が目だち、その寵臣(ちょうしん)政治とともに88年の議会で批判された。89年自立して親政を宣言し貴族らとの融和を図ったが、97年神聖ローマ皇帝の候補に上ったことからふたたび専制的となり、99年アイルランド遠征中、ジョン・オブ・ゴーントの子でランカスター公ヘンリー(後のヘンリー4世)の挙兵にあい、逮捕され退位させられた。
[富沢霊岸]