ラードナー(読み)らーどなー(英語表記)Ring(gold) Wilmer Lardner

デジタル大辞泉 「ラードナー」の意味・読み・例文・類語

ラードナー(Ring Lardner)

[1885~1933]米国小説家ジャーナリストスポーツ記者として活躍後、小説家に転身口語俗語を駆使した文体を用い、スポーツを題材にした小説などで人気を博した。作「メジャーリーグのうぬぼれルーキー」など。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ラードナー」の意味・わかりやすい解説

ラードナー
らーどなー
Ring(gold) Wilmer Lardner
(1885―1933)

アメリカのジャーナリスト、小説家。ミシガン州出身。最初スポーツ記者として北部の大都市で活躍。短編集『僕を知ってるね、アル君』(1916)で、野球の世界を独特な俗語を駆使して、簡潔な文体で描き、大衆作家としての名声を得た。短編集『短編小説書き方』(1924)や『愛の巣』(1926)では、拳闘(けんとう)選手、野球選手、セールスマン、株屋、作詞家、女優ら、平均的人間のもつ平凡さ、邪悪さ、愚かさを、彼らの口語を駆使し、独特の皮肉と風刺で描いた。『アメリカの言語』の著者である同時代の評論家メンケンから、ことばの達人、アメリカ英語の多様な姿を記録した作家として評価され注目を浴びた。道徳的批判を内に秘め、ユーモアと風刺の味わい深い作風は評価が高い。

[岩瀬悉有]

『中村雅男訳『おれは駆けだし投手』(1961・筑摩書房)』『大竹勝編訳『チャンピオン』(1964・荒地出版社)』『加島祥造訳『大都会』(1974・新書館)』

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改訂新版 世界大百科事典 「ラードナー」の意味・わかりやすい解説

ラードナー
Ring Lardner
生没年:1885-1933

アメリカの作家。本名Ringgold Wilmer Lardner。ミシガン州生れ。シカゴの工科大学に学んだ後,シカゴその他で種々の新聞・雑誌の記者を務め,おもにスポーツ欄を担当。1916年記者の体験を生かし,野球選手を主人公として書いたユーモラスな小説《オルよ,おれを知ってるな》を世に出し,認められる。ほかにも深い哀愁と皮肉のこもった《散髪》《愛の巣》《チャンピオン》《金婚旅行》など庶民の言葉を用いたすぐれた短編が多い。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラードナー」の意味・わかりやすい解説

ラードナー
Lardner, Ring (gold Wilmer)

[生]1885.3.6. ミシガン,ナイルズ
[没]1933.9.25. ニューヨーク,イーストハンプトン
アメリカのジャーナリスト,小説家。アーマー工科大学中退後,『サウス・ベンド・タイムズ』紙を振出しにスポーツ記者となり,かたわらスポーツ選手を主人公とする滑稽な短編を書いた。『おれは駆出し投手』 You Know Me,Al (1916) 以下の作品によってユーモア作家としての名声を得,滑稽な理論とその実例と称する短編から成る『短編小説作法』 How to Write Short Stories (24) ,短編集『愛の巣』 The Love Nest and Other Stories (26) ,喜劇『6月の月』 June Moon (29,G.S.コーフマンと共作) などによって風刺作家としての地位をも確立した。

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百科事典マイペディア 「ラードナー」の意味・わかりやすい解説

ラードナー

米国の作家。本名Ringgold Wilmer Lardner。新聞のスポーツ記者を務め,書簡体短編集《おれはかけ出し投手》(1916年)に続く短編集《短編の書き方》で,日常生活に対するさりげないユーモアと風刺が注目された。《奇跡男の物語》(1927年)は自伝小説。

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