ラージャラージャ1世(読み)ラージャラージャいっせい(英語表記)Rājarāja I

改訂新版 世界大百科事典 「ラージャラージャ1世」の意味・わかりやすい解説

ラージャラージャ[1世]
Rājarāja Ⅰ
生没年:?-1016

南インドのチョーラ朝中興の英主。在位985-1016年。10世紀の後半ラーシュトラクータ朝によって弱体化していた王国を再興し,彼の息子ラージェーンドラ1世とともに約半世紀の間南インドを支配してその国威を高めた。国王遠征事業は広範であった。まず,ケーララ,パーンディヤ,セイロンの連合勢力を破り,マラバールをその支配下において西方貿易の権利を手中に入れようとした。その後アラビア貿易の重要な拠点であったモルジブ諸島にも海軍を送って攻撃した。セイロンに対する遠征は激しく,当時の首都アヌラーダプラを破壊し,都をポロンナルワに移した。また,後期チャールキヤ朝との戦いに勝ち,デカン地方やその北部にまで遠征軍を進めた。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラージャラージャ1世」の意味・わかりやすい解説

ラージャラージャ1世
ラージャラージャいっせい
Rājarāja I

[生]?
[没]1014頃
インド,チョーラ朝第 10代の王 (在位 985~1014頃) 。近隣の諸王国と戦ってチョーラ朝の南インドにおける覇権確立。さらにスリランカ北半とモルジブ諸島を支配。またスマトラシュリービジャヤ王国とも修好し,進んで宋とも通商した。文芸を保護し,都のタンジョールに建てたブリハディスバラ寺 (シバ大寺院) は南インド最大の寺院建築として知られる。

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