朝日日本歴史人物事典 「ラ・ファージ」の解説
ラ・ファージ
生年:1835.3.31
明治期に来日したアメリカの画家。ニューヨーク生まれ。1856年渡欧,パリで美術,文芸界の知己を得,イギリスではラファエル前派の作品に強く感化された。58年末~59年初ニューヨークへ戻り,このころ日本の浮世絵に触れた。64年作「花瓶」はジャポニスムの早い作例である。70年,アメリカでの最初の日本美術紹介となった「日本美術随想」を発表。モースらと交友し,明治19(1886)年3カ月間来日した。『画家東遊録』(1897)はその体験録。岡倉天心に「アメリカの雅邦」といわしめ,美術商林忠正とも親交があった。日本の工芸品を高く評価したことでも知られる。
(三輪英夫)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報