ラ・パス(ボリビア)(読み)らぱす(英語表記)La Paz

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ラ・パス(ボリビア)」の意味・わかりやすい解説

ラ・パス(ボリビア)
らぱす
La Paz

南アメリカ、ボリビア西部にある同国の事実上の首都ティティカカ湖の東50キロメートルに位置する。人口79万3293(2001)。法制上の首都はスクレであるが、1900年行政機関がスクレから移ってきて以来、首都としての役割を果たしている。ボリビアの政治、文化、経済の中心地で、織物、家具製造、化学金属、食品加工などの工業が盛んである。また交通の要地で、パン・アメリカン・ハイウェーが通じるほか、ペルーリマより鉄道の便もある。1548年アルティプラノ高原の3700メートルの高地に建設された高原都市で、首都としては世界でもっとも高い所にある。年平均気温8.8℃、日々の気温の変化が激しく、夜間は寒い。12月~2月はしばしば雨が降る。空港はさらに高い標高4000メートルにあり、初めての訪問者には高山病にかかる人が多い。

 市街地は、ティティカカ湖から流れ出るラ・パス川沿いの盆地に展開している。高い段丘上と下流部の低い所にインディオの住宅があり、中間白人のビジネス地区になっている。純粋のインディオが住民の半分を占める。川の北東岸、ムリリョ広場が市の中心で、大統領官邸をはじめ、諸官庁、教会、サン・アンドレス大学(1830創立)があり、近代的高層建築群が集まっている。市街地には植民地風の建物はわずかで、ほとんどすべてが近代建築である。モンティクロ・デ・ソポカチとよぶ丘からの眺望は壮観で、壮大なイーマニー山背景に谷に沿って町が発展しているさまが一望できる。

[山本正三]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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