ランブール(英語表記)Georges Limbour

デジタル大辞泉 「ランブール」の意味・読み・例文・類語

ランブール(Limbourg)

15世紀初頭にフランスで活躍したフランドル生まれの画家兄弟ポールPol)・エルマン(Herman)・ジャヌカン(Jehannequin)の3人で、「ベリー公のいとも豪華な時祷書じとうしよ」は、当時のミニアチュールの中でも傑作とされる。生年未詳。3人とも1416年没。

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改訂新版 世界大百科事典 「ランブール」の意味・わかりやすい解説

ランブール
Georges Limbour
生没年:1900-70

フランスの詩人作家。パリ近郊クールブボアに生まれる。1921年にR.クルベルらと雑誌《アバンチュール》を創刊,その詩作活動がブルトンらの注目をひき,成立期のシュルレアリスム運動に加わる。しかし,生来漂泊の気質をもち,世界各地を旅する。短編集《名高い白馬》(1930)以後,多くの小説を発表。とくに《バニラの木》(1938)には濃厚な異国情緒とともに,切実な文明批判の傾向が見られる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ランブール」の意味・わかりやすい解説

ランブール
Limbourg

オランダ生れの画家3兄弟。ポール Pol,ヘルマン Herman,ジャンヌカン Jehanequinの3人で,ともに生没年未詳であるが,1400~16年頃にフランスで細密画家として活躍した。彫刻家アーノルド・ファン・ランブールの息子で,ブルゴーニュ公の宮廷画家 J.マルエルの甥であるため,マルエルと呼ばれることもある。パリの金銀細工師のもとで修業し,02年にポールとジャンヌカンはブルゴーニュのフィリップ (豪胆公) に仕え,11年頃には3人ともブールジュベリー公の宮廷画家となった。はなやかな洗練された彩色写本の絵を描いた。作品は『ベリー公のいとも豪華なる時祷書』 (1413~16,未完のため 85年に J.コロンブスにより完成。コンデ美術館) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ランブール」の意味・わかりやすい解説

ランブール
らんぶーる
Georges Limbour
(1900―1970)

フランスの作家、詩人。クールブボアに生まれる。1921年にクルベルらとともに同人誌『アバンチュール』を創刊してブルトンに注目され、初期シュルレアリスム運動に加わる。詩集『沈む太陽』(1924)を発表してのち、世界各地を旅する。短編小説集『名高い白馬』(1930)以後作家として再出発し、異国情緒と文明批判を特徴とする多くの小説を発表する。代表作は38年出版の『バニラの木』Les Vanilliersであろう。

[巖谷國士]

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