ランダ(英語表記)Diego Landa

精選版 日本国語大辞典 「ランダ」の意味・読み・例文・類語

ランダ

〘名〙 (「オランダ」の略) (形動) (オランダ語でしゃべる意で) わけのわからないこと。ちんぷんかんぷんなこと。また、そのさま。
洒落本・南遊記(1800)四「何んでもこいつ蘭陀(ランダ)でやってこまそと口から出ほうだい」

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改訂新版 世界大百科事典 「ランダ」の意味・わかりやすい解説

ランダ
Diego Landa
生没年:1524か25-79

スペイン出身のフランシスコ会士。1549年,メキシコのユカタン半島に渡って原住民のキリスト教化に従事,71年には同地の司教に任じられ,後に任地メリダで死んだ。メキシコの他地域と同様,ユカタンでも原住民の扱いをめぐって一般入植者と宣教師は当初から対立し,生来気性の激しいランダは原住民保護の急先鋒として入植者と衝突を繰り返した。この持ちまえの性格は,改宗した原住民の間になお根強く残る土着宗教的要素に対しても発揮され,1562年に数十名の原住民を異端のかどで捕らえて厳罰を科すと同時に,マヤ絵文書偶像焼却破壊した。このために当時のユカタン司教とも対立したランダは,弁明の必要から一時スペインに帰国した。しかし,すべてが宣教への熱意から発したこととして,結局罪には問われなかったばかりか,ユカタン司教の要職に上げられて再度海を渡った。

 スペイン帰国中の1566年ごろに土着宗教の根絶を目ざして書いた《ユカタン事物記》は,今日なお古代マヤの世界を知るうえで貴重な史料である。
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百科事典マイペディア 「ランダ」の意味・わかりやすい解説

ランダ

スペインの宣教師,フランシスコ会士。1549年メキシコのユカタン地方に渡り,布教に従事すると同時に,マヤ文化について観察。マヤの絵文書や神像を焼却破壊しつつも,自身はマヤ文化に関する総合的な報告書《ユカタン事物記》を著し,これが今日古代マヤ文化に関する数少ない史料の一つとなっている。

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世界大百科事典(旧版)内のランダの言及

【制癌薬】より

…男性または女性ホルモン製剤そのままでは男性化ないし女性化の副作用が現れることが多いため,それらの副作用の少ない薬剤として乳癌治療にタモキシフェン(ノルバデックス)やメピチオスタン(チオデロン)が最近開発され,用いられている。
[その他の制癌薬]
 以上の分類に属さないものにプロカルバジン(ナツラン),シスプラチン(ランダまたはブリプラチン),L‐アスパラギナーゼ(ロイナーゼ),エストラムスチン(エストラサイト)などがあり,それぞれ悪性リンパ腫,種々の固形癌,白血病,前立腺癌の治療に利用されている。このうちシスプラチンは白金の錯化合物で,1960年代後半にアメリカで発見され最近日本に導入された。…

※「ランダ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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