精選版 日本国語大辞典 「ランダウ」の意味・読み・例文・類語
ランダウ
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ソ連の物理学者。バクーの生れ。バクー大学,レニングラード大学に学ぶ。1929年から1年半の間,ドイツ,スイス,オランダ,イギリス,ベルギー,デンマークを歴訪,コペンハーゲンではN.ボーアの下で,R.F.パイエルスとともに不確定性原理を相対論的に拡張する研究や,磁場中におかれた自由電子のふるまいに関する量子論的研究を行った。帰国後,レニングラードの物理・工学研究所,ウクライナの物理・工学研究所を経て37年モスクワの物理学問題研究所の理論物理学部長に就任。
同研究所長のP.L.カピッツァの液体ヘリウムの研究に関連して,液体ヘリウムの超流動の理論的解明を行い,この業績により62年ノーベル物理学賞を受賞した。このほか,反磁性,プラズマ振動,超伝導,場の量子論とその応用などの研究でも多くの業績を残し,またE.M.リフシッツとの共著による《理論物理学教程》は,すぐれた教科書として多くの国で用いられている。62年自動車事故で重傷を負い,一命はとりとめたものの研究には復帰できなかった。
執筆者:日野川 静枝
ドイツの数学者。ベルリンで医者の子として生まれた。ベルリン大学で学んだ後,1909年にゲッティンゲン大学の教授になったが,33年にはナチス・ドイツのユダヤ人弾圧政策のため,この職を辞することを余儀なくされた。この後亡くなる38年までにドイツ国外で何度か講義をした。ランダウの研究はおもに解析的整数論の確立に向けられた。とくに素数の分布についての研究においては,素数定理のJ.アダマールやド・ラ・バレ・プサンC.de la Vallée Poussinの証明より簡単な証明を考え,一般の代数体の素イデアルの分布をも扱うことを可能にした。また定数でない整関数はたかだか一つの値を除いてすべての値をとるというピカールの定理を一般化するなど関数論にも貢献した。
執筆者:斎藤 裕
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…逆に転移点より下側では後者が勝って秩序状態となり,対称性の低い状態が実現する。 二次相転移を扱う一般論としては,L.D.ランダウの現象論がある。それは,自由エネルギーFを秩序パラメーターηの関数と考え,Fがηに関して,図3のようにふるまうとして相転移のようすを説明する。…
…恒星がその進化の終末に到達する中性子物質からなる超高密度の星。中性子星の存在は,すでに1930年代にL.D.ランダウ,J.R.オッペンハイマーらにより理論的に予言されていた。また超新星爆発の際に中性子星が残骸としてできるとする考えを,W.バーデとツビッキーF.Zwickyが提案している。…
…超流動が起こる機構は4Heと3Heとではまったく異なり,前者では4He原子がボース統計に従うことと原子間に斥力があることが,また後者では3He原子がフェルミ統計に従うことと原子間に引力があることが原因になっている。4Heの超流動理論は1930年代にF.ロンドン,L.D.ランダウらによって作られ,3Heの超流動については超伝導のBCS理論の出現(1957)直後からその応用として多くの人たちによって考えられてきた。
[液体ヘリウム4の超流動]
4Heはボース粒子であってボース統計に従う。…
※「ランダウ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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