ラボエーム

精選版 日本国語大辞典 「ラボエーム」の意味・読み・例文・類語

ラ‐ボエーム

(原題La Bohème) オペラ。四幕。プッチーニ作曲。一八九六年初演。H=ミュルジェール小説による。詩人のロドルフォと胸を病み他界する薄幸の女性ミミとの悲恋を劇的にうたったもの。

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デジタル大辞泉 「ラボエーム」の意味・読み・例文・類語

ラ‐ボエーム(〈イタリア〉La Bohème)

プッチーニ作曲のオペラ。全4幕。1896年トリノで初演。パリに住む詩人ロドルフォと少女ミミの恋愛中心に、ボヘミアン的生活を送る人々を描く。

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改訂新版 世界大百科事典 「ラボエーム」の意味・わかりやすい解説

ラ・ボエーム
La bohème

プッチーニの4幕のオペラ。フランスの作家ミュルジェHenri Murger(1822-61)の自己体験によってまとめ上げた短編集《ボヘミアンの生活情景》に基づくG.ジャコーザとL.イリカの台本に作曲,1896年トリノで初演した。物語は,1830年ころのパリのラテン区,芸術家を志す4人の若いボヘミアンたちが気ままな生活を送っている屋根裏部屋。消えたろうそくの火をもらいにきたのが縁で恋におちたボヘミアンの一人,詩人のロドルフォと隣に住む貧しいお針娘ミミの淡い恋物語。

 全編にわたって詩情豊かに描かれているが,プッチーニは色彩的なオーケストレーションと尽きることのない流麗な旋律,巧妙なモティーフの活用によって,場面設定や登場人物の性格描写に優れた舞台効果を上げている。イタリア・ベリズモの影響を受けながら抒情性を失うことなく作り上げた秀作。《冷たい手》《わたしの名はミミ》《ムゼッタのワルツ》などはとくに愛好されている。日本初演は1921年ロシア歌劇団による。
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世界大百科事典(旧版)内のラボエームの言及

【ジャコーザ】より

…彼の作風の変化は,後期ロマン主義からスカピリアトゥーラ派の動きを経てベリズモに至る19世紀後半の文学的状況をそのまま反映している。なお,プッチーニのオペラ《マノン・レスコー》(1893),《ラ・ボエーム》(1896),《トスカ》(1900),《蝶々夫人》(1904)の台本も手がけた。【鷲平 京子】。…

【プッチーニ】より

…1884年最初のオペラを発表。93年3作目のオペラ《マノン・レスコー》で成功を収め,《ラ・ボエーム》(1896),《トスカ》(1900),《蝶々夫人》(1904)と傑作を書き続け,《トゥランドット》(未完。F.アルファーノが完成させて1926年初演)まで10曲のオペラを作曲した。…

※「ラボエーム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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