ラホールの城塞とシャーリマール庭園(読み)ラホールのじょうさいとシャーリマールていえん

世界遺産詳解 の解説

ラホールのじょうさいとシャーリマールていえん【ラホールの城塞とシャーリマール庭園】

1981年に登録されたパキスタンの世界遺産(文化遺産)。2000年に危機遺産リストに登録されたが、2012年に危機遺産リストからの削除が実現した。同国東北部パンジャーブ州のラホールにある。ムガール帝国第3代皇帝アクバルは、1573年、この地にラホール城塞の建設を始めた。その後、第4代皇帝ジャハーンギール、第5代皇帝シャー・ジャハーン、第6代皇帝アウラングゼーブが増改築を繰り返した。6万人が一度に礼拝できる城外のバードシャーヒ・モスク、モティ・マスジド(真珠モスク)、シーシュ・マハル(鏡面殿)、マスティ門、アラムギーリ門が有名である。シャー・ジャハーン帝が建設したシャーリマール庭園はペルシア様式で、四隅には時計台が配置され、高いレンガの壁に囲まれている。これらムガール帝国の繁栄をしのばせる建造物と庭園が歴史的価値を有すると評価され、世界遺産に登録された。しかしその後、庭園の城壁の劣化が進行し、道路拡張によって庭園の給水設備が破壊され、景観を損ねたことから危機遺産リストに入った。そして、ふたたび保護体制が整えられ、主だった建物もほぼ修復されたことにより、2012年に危機遺産リストからの削除が決定された。◇英名はFort and Shalamar Gardens in Lahore

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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