ラタキア(英語表記)Latakia

精選版 日本国語大辞典 「ラタキア」の意味・読み・例文・類語

ラタキア

(Latakia) シリア北西部、地中海に臨む港湾都市フェニキア人建設、ローマ時代に発展した。現在はタバコ綿花オリーブなどがここから輸出される。

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デジタル大辞泉 「ラタキア」の意味・読み・例文・類語

ラタキア(Latakia)

シリア北西部、地中海に臨む港湾都市。フェニキア人が建設、ローマ時代に発展。現在はタバコ・綿花・オリーブなどを輸出。

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改訂新版 世界大百科事典 「ラタキア」の意味・わかりやすい解説

ラタキア
Latakia

シリア西部,地中海沿岸の都市,同名県の県都。アラビア語ではラージキーヤal-Lādhiqīya。人口89万(2000)。町の起源は古代フェニキア時代にさかのぼり,前327年,セレウコス1世によって都市建設が行われ,ラオディケアLaodiceaと名づけられた。以後,シリア地方有数の港として繁栄する一方,諸勢力の攻防の地となり,町の破壊も激しかった。とくに十字軍時代は,十字軍とイスラム軍双方が町の支配をめぐって争ったが,平和が回復すると東西貿易の中継地としてにぎわった。現在もシリアの主要な港として港の整備・拡張が図られている。ここから原綿,穀物,タバコなどが輸出され,化学製品,セメント,鉄鋼製品などが輸入されている。漁業繰綿,植物油製造などの工業がある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラタキア」の意味・わかりやすい解説

ラタキア
Latakia

アラビア語でラーディキーヤ Al-Lādhiqīyah。シリア北西部の同名の県の県都。地中海に突出したジャーラ岬にある港湾都市。背後に豊かな農耕地を控えたシリアの主要港で,オリーブ,タバコ,穀物の集散地であるとともに,これらの農産物や,植物油,アスファルト,陶器などを輸出する。紡績,植物油製造,カイメン採取加工などが主要工業である。アレッポ,トリポリ,ベイルートと道路で連絡している。フェニキア時代からの遺跡があり,その名称は前4世紀のセレウコス1世の母にちなんでつけられたラオデイケアから出ている。地震が多いため,古代の建造物で残存しているものは,ローマの凱旋門,コリント式のバッカス神殿の列柱などにすぎない。人口 28万 4000 (1992推計) 。

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百科事典マイペディア 「ラタキア」の意味・わかりやすい解説

ラタキア

シリア西部,地中海岸の港市。アラビア語ではラージキーヤ。地中海岸ではシリア最大の貿易港であり,タバコの輸出で知られる。アルファベットの粘土板が出土したウガリト(ラス・シャムラ)は市の北部にある。セレウコス1世が創設し,古くはラオディケアと称した。38万3800人(2004)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ラタキア」の意味・わかりやすい解説

ラタキア
らたきあ
Latakia

シリア西部、地中海沿岸の港湾都市。ダマスカスの北北西230キロメートル、キプロス島の対岸に位置する。人口41万7100(2003推計)。同国最大の貿易港で、「ラタキア」という名で世界的に知られるたばこや、綿花、繭、穀類、オリーブ、イチジクなどがここから輸出される。古代フェニキア時代に建設され、ローマ帝国時代にはぶどう酒の輸出港として知られた。十字軍時代には十字軍とイスラム軍が町の支配を争った。

[原 隆一]

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