ラオス史(読み)ラオスし

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラオス史」の意味・わかりやすい解説

ラオス史
ラオスし

ラオスには新石器時代から鉄器時代初期にかけて人類が居住していたようである。歴史時代に入って以後のラオスには中国の南部地点から渓谷沿いに南下してきたタイ族系のラオ族によって建設された国家が興亡した。まず 14世紀中葉 (1353) にファー・グム王によって現在のルアンプラバンを王都とするこの国最初の統一国家ラーンサーン王国が生れた。ラーンサーンとは 100万頭の象の意である。ラオスはその後,タイ,ビルマベトナムなど近隣諸国からその圧迫を受けてこれに隷属せざるをえず,また国内の勢力抗争もあって,18~19世紀には,北部ルアンプラバン王国,南部のビエンチャン王国,さらにその南部で台頭したチャンパーサック王国と国内が3王国に分裂する時代が続いた。 19世紀末 (1893) 以降はさらにフランスの保護領としてその植民地支配を受けたが,第2次世界大戦後の 1949年にフランス連合内の独立を認められ,次いで 53年 10月に完全独立を達成した。この国の政情は,独立後も決して安定せず,国内は右派左派 (パテト・ラオ) ,中立派の3派による政治的・軍事的抗争が続いていたが,75年 12月,王制が廃止されてラオス人民民主共和国が建設され,30年間の戦乱は終結した。 77年7月,ベトナムとの間に友好条約を結んだ。一方フランスの謀略活動を理由に 78年8月同国駐ラオス大使館は閉鎖され,フランスも報復措置をとった。

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