ライダ(英語表記)lidar

翻訳|lidar

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ライダ」の意味・わかりやすい解説

ライダ
lidar

パルス状のレーザー光を上空に発射し,エアロゾルなどによって散乱された光を望遠鏡で集光し,光電子増倍管で検出する能動型の光学測器。Light detection and rangingの頭文字をとってこの名がある。レーザーレーダとも呼ばれる。受信した光の強さからエアロゾルの濃度を,パルス発射から受信までの遅延時間からエアロゾルの存在高度を測定することができる。気象庁大気環境観測所に設置したライダは受信した光の偏光成分も測定しており,エアロゾルの球形性・非球形性を知ることも可能である。大きく変動するエアロゾルの把握は,気候監視地球温暖化の予測精度を上げるために重要であり,ライダはその動態を明らかにする有効な観測手段となっている。雨粒や浮遊粒子は大気中で動いているため,その反射波を調べることにより,大気の流れ(風の状況)がわかる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android