日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヨハネス(2世)」の意味・わかりやすい解説
ヨハネス(2世)
よはねす
Johannes Ⅱ
(1088―1143)
ビザンティン皇帝(在位1118~43)。コムネノス朝のもっとも有能な皇帝。アレクシオス1世の長男で父の死後即位。対外的にはペチュネグ人をマケドニアとトラキアで大破し(1122)、同年セルビア王国に宗主権を認めさせた。東部ではメリテネのダニシュメンド太守国(1135)、キリキアのアルメニア分離国家(1137)、アンティオキアのノルマン支配(1137)を制圧し、国威を高めた。バルカン半島ではマジャール人の内乱を平定し(1126~28)、ここにも平和をもたらした。さらにシチリアのロジェール2世に対し、ピサ市とコンラート3世(神聖ローマ皇帝)による反ノルマン同盟を結成するが、狩猟中の事故により死去。
[和田 廣]