日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヨハネス(12世)」の意味・わかりやすい解説
ヨハネス(12世)
よはねす
Johannes Ⅻ
(937―964)
ローマ教皇(在位955~963)。18歳で教皇座についた。ドイツ国王オットー1世(在位936~973)に教会統治に関して援助を求めたことにより、962年彼を神聖ローマ皇帝として戴冠(たいかん)することになった。しかし、翌年反対派の扇動にのった皇帝の手で裁判に付されてヨハネスは退位させられ、かわってレオ8世(在位963~965)が選出された。機会を得てヨハネスはふたたび教皇座につき、レオを破門したが、まもなく死去した。
[磯見辰典]
『鈴木宣明著『ローマ教皇史』(教育社歴史新書)』▽『H・テュヒレ他著、上智大学中世思想研究所編訳『キリスト教史3』(1981・講談社)』